2021年3月14日(日) 2回中京2日

 金曜日からの雨で土曜朝のクッション値は6.9と7を切って柔らか。日曜日は8.2まで回復しましたが、これは1月24日と同じで1回中京では最も低い数字に相当。1つ前の10R1400mが前半3ハロン32秒8の超ハイペースながら先行馬が残っていたように、外からは追い込みづらい馬場状態だったと思います。しかも、大阪杯の前哨戦として3月に移設されてからの過去4年で、逃げ馬は②②⑩③着。⑦⑧⑧⑥番人気だったことを考えると、戦法としての逃げは非常に有効でした。逃げ切ったギベオンの西村淳也騎手は、「枠が出てから先生と相談して、このメンバーならハナにと話していたし、スタートも決まったので行きました」と。レースは37.1ー47.9-36.8。前半の800mを通過してからペースが上がり、11秒台が続きます。ただ、この地点でのペースアップは、コース設定的にも傾向的にも少し早い。昨年のような上がりの競馬ではなく、消耗戦になりました。

 ギベオンは2018年NHKマイルC②着(これもミドルペースでした)ですし、もともとポテンシャルは高い馬。ただ、いかに集中力を保つかが課題でしたが、ハナを切ることで克服。白富士Sから着けているチークピーシズの効果もあったでしょう。持久力とトラックバイアスを生かした見事な逃走劇。西村淳也騎手は嬉しいJRA重賞初勝利となりました。

 昨年の最優秀3歳牝馬に選ばれたデアリングタクトは単勝1.4倍という断然の1番人気でした。最内枠でしたが、レースでは早々と馬群の切れ目で外に出し、リズム重視の競馬。勝負どころの反応が今ひとつだったのは休み明けもあったでしょう。ゴール前で急追しましたが、僅かに及ばず。左回りは特に問題なかったと思いますが、それよりもコース取りの差が最後まで響いた感じです。

 ポタジェは道中3列目の外を追走。外枠でも早めの立ち回りで、相手なりの渋太さを発揮しました。直線は馬場のいい外へということだったようですが、この着差と今日の馬場ならコーナーをタイトに回っても良かったかも。ただ、負けとはいえ、重賞初挑戦で勝負強さをアピールした格好です。グローリーヴェイズは最後に甘くなりましたが、勝ち馬とはコンマ1秒差。休み明けの2000m戦で見せ場は作りました。

text by 小林  

 

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