5月30日に東京競馬場で行われた第135回GⅡ目黒記念(芝2500m・4歳以上・ハンデ・晴・良馬場)は単勝8番人気のウインキートスが2番手から抜け出して優勝。牝馬による目黒記念制覇は1988年メジロフルマー以来。騎乗した丹内祐次騎手は当レース初勝利。管理する美浦・宗像義忠調教師は2017年フェイムゲームに続き、2勝目。ウインキートスは北海道新冠町コスモヴューファームの生産馬。馬主は(株)ウイン。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 大方の予想通り大外枠からトップウイナーがハナに立ち、ウインキートスが2番手の位置をキープ。前半に13秒3→13秒2のラップがあるように流れが落ち着き、しかも道中は前を走る2頭が3番手以降を引き離す形でしたので、後続集団は超のつくスローペース。レース上がり32秒8は同じ日のダービーよりも1秒1も速く、典型的な先行有利の展開となりました

 

自分の走りを貫き、快哉を叫ぶ

【レース分析】 勝ったウインキートス(単勝8番人気)は待機策を試みて、道中で不利を受けてしまった日経賞を教訓にして積極的なレース運びで後続を完封。②着馬に2馬身の着差以上に余裕を感じられる勝ちっぷりを見せました。

 

 

「前走時もある程度はやれる感触を持って臨みましたが、不利があって力を出し切れませんでした。今回は逃げた馬の直後で折り合って、スムーズにレースを運べましたし、これまでのように抜け出してソラを使うようなこともなかったです。スパートしてからも集中力を切らさずに走れたことが良かったですね」とレース後に丹内騎手がコメント。勿論、展開利や4歳牝馬で52キロの軽ハンデが噛み合っての重賞初制覇ですが、それまで連対実績のなかった東京コースで、メンバー中2位の速い上がりを記録した点は見逃せず、馬自身もレベルUPしていると考えるべきでしょう。過去最高体重で勝利を収めたことも今の充実ぶりを物語っています。

 

ウインキートスの4代血統表。ゴールドシップ産駒は先週のオークス(ユーバーレーベン)を勝っており、2週続けて東京での重賞制覇となった。

 

軌道に乗ってきたヒートオンビート

 ②着のヒートオンビート(2番人気)は母が桜花賞V、東京でもヴィクトリアマイル③着のマルセリーナですから、血統的に当コースで速い上がりの勝負に対応できたのも納得。こちらも良血馬が軌道に乗ってきたと見ていいでしょう。③着アドマイヤアルバ(15番人気)の健闘には正直、驚きましたが、転厩緒戦で体重が12キロ減、ブリンカーも着用と状況が大きく変わっていましたから、前めで運んだことだけが好走の要因と考えるのは危険かも。次走が試金石になりそうです。

 

▲確かに展開利、軽いハンデの恩恵はあったが、ウインキートスは後続に2馬身差をつける完勝だった。

 

 1番人気に支持されたグロンディオーズは、中団から脚を伸ばすも馬券圏内には届かず。上位馬よりも重いハンデを背負って、上がりの数字は自己ベストでしたから、力負けではなく、展開がすべてといえます。今回と同じレベルのメンバー構成で、地力勝負になれば巻き返しは必至でしょう。他にも末脚不発に終わった馬の反撃には注意したいと考えています。

 

 

                          

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

 

〇前走クラス・・・①~③着馬の前走を見ると、勝ち馬はGⅡ⑮着、②着馬はOP特別②着(クビ差)、③着馬はOP特別⑨着(0秒9差)。好走馬の条件を満たしていたのは②着馬だけ。ハンデ戦でもあり、安易に着順、着差だけで取捨選択をするのは危険であることを思い知らされる結果に。

〇所属・・・今年、関東馬は2頭馬券に絡んでいた。ご存知の通り、ウインキートスアドマイヤアルバにはGⅠでの連対実績はなかった。

〇ハンデ・・・前走、OP特別を制し、今回、斤量が増えていたミスマンマミーアは⑫着と完敗。過去の傾向をすべてひっくり返してしまうような結果。これを踏まえ、来年は1度白紙に戻して「データから推す」の原稿を書くつもりです。

 

 

 

《目黒記念 2016-20》

 

 


 
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