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第16回 キーンランドC 回顧

 8月29日に札幌競馬場で行われたサマースプリントシリーズ第5戦、第16回GⅢキーンランドC(芝1200m・3歳以上・別定・晴れ・良馬場)は単勝3番人気に支持されたレイハリアが内めから抜け出して優勝。騎乗した亀田温心騎手、管理する美浦・田島俊明調教師ともキーンランドCは初勝利。レイハリアは北海道新ひだか町谷岡牧場の生産馬。馬主は㈱ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 好スタートを決めたレイハリアは主導権を握り、外からカイザーメランジェが2番手につけましたが、メイケイエールが掛かって前に出てきたので、先行していた2頭は競りを避けて控える形に。前半3ハロン通過34秒0はGⅢとしてはそれほど速い流れではなく、直線では一旦先頭に立った④着馬の直後からレイハリアが抜け出し、ゴール前で迫ってきた後続の追撃も凌ぎ切りました

 

北の大地でも勢いはそのままに

【レース分析】 勝ったレイハリア(単勝3番人気)は放牧明けで体重が6キロ増でも無駄のない体つき。スタートを含めてセンスのいい立ち回りを見せて、古馬と初対戦でもスピード&レース運びの巧みさを存分に発揮。初勝利からの連勝を4に伸ばして、重賞も2連勝となりました。

 

▲必死にパートナーを鼓舞し、4連勝に導いた亀田騎手。レイハリアとのコンビでこの秋はGⅠでの好走も期待される。

 

「斤量が軽かったですし、枠順もいいところを引いていましたから、メイケイエールが来たら番手でもいいと思っていました。ただ、外から壁を作られて、スムーズにはいきませんでしたが、開いてからはよく伸びてくれましたし、最後はガムシャラに追いました」とレース後に亀田温心騎手はコメント。レース前から想定していたとはいえ、序盤の立ち回りには若手騎手らしからぬ冷静さが感じられましたし、それに応えた勝ち馬も芝1200mでは底が見えません。葵Sの②③着馬も後に重賞を制していますから、短距離路線はすでに世代交代が始まっているのかもしれません。

 

レイハリアの4代血統表 2年前に当レースを制したダノンスマッシュと同じロードカナロア産駒。3歳5月から5連勝を飾り、一気にトップスプリンターへ駆け上がった父を彷彿とさせる軌跡を描いている。

 

良馬場でも切れたエイティーンガール

 当レース連覇を狙った②着エイティーンガール(7番人気)は放牧明けを叩いて、中間気配にも良化が窺えましたし、この馬らしい末脚で勝ち馬にアタマ差まで肉薄。昨年のスプリンターズSもスムーズなら、掲示板には載っていたと思える内容でしたから、再びGⅠに挑戦しても得意の道悪にでもなれば、侮れない存在となりそうです。③着セイウンコウセイ(9番人気)は58キロを背負った8歳馬としては特筆できる頑張り。古豪健在をアピールしました。更に強調したいのは④着カイザーメランジェのレースぶりで、前走のUHB賞③着でも良化は示していましたが、今回も積極的にレースを運んで、結果的に少し早仕掛けで0秒2差。一瞬は“もっと重いシルシをつければ良かった”と思わせました。重賞1勝が7頭立てでしたから評価を下げがちになりますが、状態は間違いなく戻ってきています。

 

エイティーンガールが猛追してきたが、アタマ差粘ったレイハリア

 

 一方、1番人気で⑦着に敗れたメイケイエールは、距離を詰めた今回も気性の難しさが前面に出てしまうレースぶり。精神面の成長が待たれます。個人予想で◎とした⑩着ミッキーブリランテ(2番人気)は行きっぷりが今ひとつで、追っての伸びも案外。着差は0秒4でも物足りない内容で、体調面の問題か、1200mならもう少しメリハリをつけるレースをした方がいいのか、現段階では判断しかねています。

 

 

                          

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・今年は勝ち馬こそ前走で重賞①着と条件をクリアしていたが、②着馬がOP特別⑬着。ただし、エイティーンガールは昨年の優勝馬。来年以降はたとえ連対条件を満たしていなくても前年や過去の優勝馬であればしっかりとフォローするようにしたい。

 

 

 

 

《キーンランドC 2016-20》

 

 


 
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