5月16日に東京競馬場で行われた第16回GⅠヴィクトリアマイル(芝1600m・4歳以上・牝馬・定量・曇り・良馬場)は圧倒的な単勝1番人気に支持されたグランアレグリアが後続を4馬身突き放して圧勝。騎乗したC.ルメール騎手は2017年アドマイヤリード、2020年アーモンドアイに続く3勝目。管理する美浦・藤沢和雄調教師は2006年ダンスインザムード以来となる当レース2勝目となった。グランアレグリアは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲サンデーレーシング。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 レース当日は朝から小雨がパラついてはいましたが、馬場への影響はそれほどなかったのではないでしょうか。レースは逃げ・先行タイプが揃っていた割に、競り合いはなく、すぐに隊列が決まりました。前半3ハロン通過は34秒3。馬場状態を考慮すればスローに近いペースだったと見ていいでしょう。

 

マイルなら国内に敵はなし

【レース分析】 グランアレグリア(単勝1番人気)は、やや気持ちがピリッとして、うるさい仕草は見せていましたが、問題のない程度。馬体にはボリュームがあって、本馬場入場の際は迫力満点の動きでした。スタートはあまり良くありませんでしたが、C.ルメール騎手はリズムを乱したり、馬群に包まれたりすることなく、外目を通って安全に力を発揮させることだけが仕事でしたね。道中はスムーズに折り合って直線へ。馬なりのままラスト1ハロン付近で先頭に立つと、残り100mだけで②着を4馬身突き放す圧勝。ただ、1頭だけ32秒台の上がり3ハロンをマーク。昨年のアーモンドアイに比肩する圧倒的なパフォーマンスで5つ目となるGⅠタイトルを獲得しました。

 

▲大阪杯の敗戦を引きずることなく、グランアレグリアが圧勝。

 

「スタートはそれほど速くないのでミドルポジションから運ぶことに。勝負どころの手応えが素晴らしく良かったので直線に向いたらすぐ外に出して、安全に乗りましたよ。自分からハミを取って、最後もギアを上げてくれましたからね。彼女の能力は凄く高いと改めて思ったし、今日のメンバーでもレベルが違いました。これからまだまだGⅠを勝ってくれるでしょう」とレース後にC.ルメール騎手はコメント。次走は連覇を狙ってGⅠ安田記念に向かう予定とのこと。無事に夏を越し、秋はこの春、幻に終わったスプリント、マイル、2000mの3階級制覇をGⅠ天皇賞・秋で達成してほしいところ。名伯楽、名手のコンビによる胸躍る挑戦はまだまだ続きます。

 

グランアレグリアの4代血統表 今年のヴィクトリアマイルはディープインパクト産駒が大挙10頭出走。見事にワンツースリーを決めた。

 

充実一途ランブリングアレー

 ランブリングアレー(単勝10番人気)は少し体つきが淋しく、テンションも高めかなと感じましたが、ここ2走は2000、1800mに出走。今回はマイル仕様の仕上げだったとも考えられます。スッと控えて後方のインで脚を温存。直線に向くと、グランアレグリアの後ろを通って馬群を捌いて脚を伸ばします。吉田隼人騎手の好騎乗が光りましたね。GⅢターコイズSで⑦着に終わり、マイルは今ひとつなのかという印象を抱きましたが、年明け緒戦のGⅢ愛知杯ではマジックキャッスル相手に僅差②着。続く前走は不得手な不良馬場で勝ったことも地力強化の証でしたね。

 

▲②着以下が追い比べを演じる中、悠々と抜け出して勝負を決めたグランアレグリア

 

 マジックキャッスル(単勝5番人気)は前回よりもしっかり攻めを積んで馬体重は4キロ増。体に実が入った印象で、脚取りの軽快さも目を引きました。最内枠を生かし、中団のインを追走。直線も概ねスムーズに捌いて上々の伸びを見せました。中距離が合うと見ていましたが、実際はマイルがベストで、距離の融通が利くタイプにも映ります。④~⑥着までは比較的、前でレースを運んだ面々が入線。②~⑧着までの7頭が0秒2差の間にひしめいたように着差の開きづらいペースでした。そんな中、軽々と4馬身も突き放してしまったのですからグランアレグリアが1頭だけ別次元の走りを見せたレースとして今後も記憶に残ることでしょう。

 

 

                          

text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・馬券に絡んだ3頭の前走を見ると、勝ち馬はGⅠ④着、②着馬はGⅢ①着、③着馬はGⅡ②着。いずれも条件をクリアしていた。さてGⅠ高松宮記念組は⑥着レシステンシアが最高着順。記事で記した通り、今後も過去の当レースで連対実績のあるリピーターのみ狙う方針で良さそうだ。

〇阪神牝馬S組・・・GⅡ阪神牝馬Sは1400mから1600mに条件が変更されてからGⅠヴィクトリアマイルとの結びつきがより強固に。今年も③着馬を輩出した。面白いのは勝ち馬の信頼度が高くない反面、②③着馬が本番で活躍するところ。この傾向はしっかりと覚えておきたい。

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《Vマイル 2016-20》

 

 


 
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