8月29日に新潟競馬場で行われた第41回GⅢ新潟2歳S(芝1600m・2歳・晴れ・良馬場)は単勝3番人気のセリフォスが内から抜け出して優勝。騎乗した川田将雅騎手は2013年のハープスター以来、新潟2歳Sは2勝目。また管理する栗東・中内田充正調教師は2016年ヴゼットジョリー、2017年フロンティアに続く当レース3勝目。セリフォスは北海道安平町追分ファームの生産馬。馬主は㈱G1レーシング

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 オタルエバータガノフィナーレを制してハナを奪取。半マイル通過48秒5のスローペース。直線の長い新潟外回りコースとはいえ、アライバルセリフォスのポジションまでが勝負圏内だったと考えていいでしょう。それ以下の位置取りではノーチャンスでしたね。

 

優秀な時計で駆けて新潟2歳王者に

【レース分析】 セリフォス(3番人気)は胸前からトモにかけて良質な筋肉がついており、いかにもスピードタイプ。状態、気配も良かったですね。スタートは今ひとつでしたが、二の脚でリカバリーして中団のインを進みました。直線は馬場の状態が悪い内からメンバー最速の上がりで突き抜け、走破タイムは同日の2勝クラスに0秒1差。2勝クラスの方が1秒ほどペースが速かったことを踏まえれば、かなり優秀ですね。父ダイワメジャーで、マイル以下が活躍の場になりそうですが、今後が楽しみですね。

 

▲長く脚を使って内から突き抜けたセリフォス

 

「今日は装鞍所からテンションが高くて、ゲートの収まりも良くなかったですね。スタートを出なかったのであの位置から。枠も枠でしたし、馬場の内が悪いのは分かっていましたが、気分良く走らせることを優先しました。前半の流れが良くなかったですが、そのなかで勝ち切れたのは能力の高さだと思います。馬場の内を突いたのは左に行きたがっていたからで、それでラチ沿いを走らせました」とレース後に川田将雅騎手はコメント。レースの上がり3ハロンは33秒6と瞬発力比べ。それだけに②着を0秒2離したのですから完勝と言っていいでしょう。まだ粗削りながら、かなりの能力を備えており、2歳マイル王候補に名乗りを挙げました。

 

セリフォスの4代血統表 ダイワメジャー産駒は17年にワンツーを決め、19年は②着に好走。新潟2歳Sと相性のいい種牡馬と言える。

 

力を示す伸び脚だったアライバル

 アライバル(1番人気)は2歳馬特有の緩さがありますが、馬体が増えて一段と重厚感が出てきました。仕上がりは良かったと思います。好スタートを決めましたが、良馬場のスピード競馬でしたから促しながらの追走。直線もなかなかエンジンがかからず、モタモタしていましたが、ラスト1ハロンからは目立つ伸び脚。地力の高さは示しましたが、マイルの時計勝負では分が悪かったのは否めません。

 

▲新潟2歳Sのゴール前。逃げるオタルエバーを捉え、内から抜け出すセリフォス。詰め寄ったアライバルの末脚も光った。

 

 オタルエバー(2番人気)は1度使ったことでテンションが上がり過ぎないかという点を心配しましたが、落ち着きがあって身のこなしも滑らか。スローペースに落とし、直線は馬場の悪い内を避けて、レース運びは理想的でした。開幕週のデビュー戦よりも走破タイムを詰めて、パフォーマンスを上げてきましたが、今回に関しては上位2頭の決め手が上でしたね。

 

                          

text by 京増 真臣

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・今年は新馬組がワンツー。OP特別組は④着が最高着順だった

〇左回り経験・・・勝ち馬は前走が中京。②着馬の前走は東京と今年も左回りの経験があった2頭が連対を果たした。

〇前走上がり・・・連対馬は前走で4コーナーを2番手以下で回り、最速上がりをマークはしていなかった。今後、この項目に関しては取捨の基準にするのは控えた方がいいだろう

 

 

 

 

 

《新潟2歳S 2016-20》

 

 


 
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