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第56回 京都大賞典 回顧

 

 

2021年10月10日(日) 4回阪神2日

2021年は阪神開催

 開幕週の阪神は高速馬場が予想されましたが、蓋を開けてみれば極端に速い決着はあまりなく、標準より少し速いぐらい。レースは好枠を引いたベレヌスがハナへ。ダンビュライトが続いて、外の3番手にキセキ、内の4番手がステイフーリッシュ。49秒7─46秒7─48秒1と中盤が締まった地力勝負になり、逃げたベレヌスは最下位に沈みました。上位3頭には、G1ホースが2頭、残り1頭もG1で連対がある実績馬がランクイン。

 勝ったマカヒキは2016年の日本ダービー馬。同年のニエル賞以来となる実に5年ぶりの勝利。陣営の諦めない気持ちが実を結んだ形です。前走から手綱を握る藤岡康太騎手も嬉しそうでした。スタートで仕掛けて、道中は中団の位置。勝負どころで鞭を入れて叱咤されていたように決して手応えは良くありませんでしたが、直線はアリストテレスを追いかけて、想像以上に渋太く脚を使いました。最後にアリストテレスの外に出してハナ差前に出たところでゴール。体調の良さ、ある程度の位置を取れたこと、中盤が締まった地力勝負になったこと、思ったほど高速馬場ではなかったもありますが、やはり久々のG2で相手関係はあったと思います。前回のG2京都記念③着、その前のG2札幌記念は②着。G2では常に上位争いをしてきた事実があります。それでも、久々の勝利の美酒はさぞや美味しいことでしょう。関係者の皆様、おめでとうございます。

 1番人気のアリストテレスは先行勢を見ながらの位置。手応え良く直線に向いて、前を行くキセキを交わしたところでゴール!と思われましたが、勝ち馬の強襲に遭いました。惜しかったです。これでM.デムーロ騎手とのコンビは①①②着。相性がいいですね。キセキは外めの3番手でノビノビと走れました。直線はダンビュライト、次にアリストテレスを目標にして集中力を途切れさせず、一旦は先頭に立つ好内容。真骨頂である持続力を存分に発揮できました。

 ディアマンミノルはゲートで挟まれて後方から。腹を括って終い勝負に徹し、直線は大外から脚を伸ばしてきました。距離延長は良かったです。ヒートオンビートはアリストテレスをマークする形。直線に向くまではいい感じでしたが、そこからは伸び切れませんでした。休み明けでプラス14㎏でも太くは映りませんでしたが、もう少しゆったりと決め手を生かせる流れの方がいいのかも。逆にアイアンバローズは余裕残しの造り。1コーナーで前に入られた時に頭を上げるシーンもありました。使った上積みは大きそうですし、今回が古馬重賞初挑戦。いい経験になったはずです。

text by 小林  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。