2021年10月24日(日) 4回阪神6日

平均は京都 2021年は阪神 1998年はセイウンスカイ

 「1頭になるとリラックスできることが分かっていたので、無理してでもハナへという気持ちはありました」と横山武史騎手がコメントしたように、タイトルホルダーが押してハナへ。ラップは前半60秒0、中盤65秒4、後半59秒2。同舞台で行われる阪神大賞典と比較してもレースの入りは速く、タテ長の展開。ただ、1周目の4角からスタンド前にかけてのラップは落ち着いており、一頭だけポツンと逃げていた形を考えると、2番手以降はかなり遅い流れ。更に1、2角からは14秒3、13秒1で推移し、ここで息が入ったことが大きかったでしょう。

 スタンド前では遅い流れに痺れを切らしたセファーラジエルが外から上がっていって、向正面でタイトルホルダーに取りつきます。そこから徐々にペースアップ。ただ、セファーラジエルは力んでいた分、息切れし、他の先行馬も早々と手応えがなくなり、相手が後方待機組となった時点でセーフティリード。強力な同型がいなかったことも幸いでした。また、芝コースの内回りレースは3日目1鞍、4日目3鞍ありましたが、逃げ馬は①②①①着。いろいろと噛み合って5馬身という大きな差がつく結果に。横山武史騎手は、皐月賞のエフフォーリアに続いてGI2勝目。まるでセイウンスカイで1998年の皐月賞と菊花賞を逃げ切った父・横山典弘騎手を彷彿とさせる姿は、次世代を担うジョッキーであると強く予感させました。

 オーソクレースは内のヴィクティファルスを前に置いて折り合いに専念。骨折明けのセントライト記念をひと叩きされた今回も勝負どころの反応は今ひとつでしたが、外から追い上げてきたステラヴェローチェと一緒に直線は大外から伸びてきました。ただ、前との差は大きく、②着確保で精一杯。今回に関しては大外枠はマイナスだったと言わざるをえません。紅一点ディヴァインラヴが③着。スタートしてすぐに内を確保し、道中は隊列の真ん中あたりでがっりち脚をためる形。セファーラジエルが外から動いていった後は、いつでも動けるように意識した運び。上位勢では一番王道といえる競馬。最後はフラフラしながらも渋太く粘っています。力は出し切ったと言えるでしょう。牝馬の③着入線は55年ぶり、グレード制導入後の1984年以降では初めてです。

 人気の一角ステラヴェローチェは後方集団の真ん中から。残り800mを過ぎて外から進出を開始します。長く脚を使って上がり3ハロンはメンバー最速。内回りコースでロスの大きさを考えるとさすがに厳しかったです。決して弱い競馬ではありません。1番人気のレッドジェネシスは見せ場なく終わってしまいました。スタートで挟まれる形にもなって、最後方からの競馬。直線は大外から追い上げを図りますが、位置取りが悪過ぎました。

text by 小林  

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