4月17日(日曜)に中山競馬場で行われた第82回GⅠ皐月賞(芝2000m・3歳・曇り・良馬場)はジオグリフ(単勝5番人気)がゴール前でイクイノックスを差し切って優勝。騎乗した福永祐一騎手は20年コントレイル以来となる当レース2勝目。管理する美浦・木村哲也調教師は皐月賞は初勝利となった。ジオグリフは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 戦前はビーアストニッシドか、デシエルトが逃げると考えていたのですが、この2頭がスタート後、果敢に先手を主張することはありませんでした。そのため内枠から上手に発馬を決めたアスクビクターモアがハナへ。向正面でペースを落とし、前半の1000m通過60秒2。GⅠ皐月賞とすれば落ち着いたペースになりましたね。良馬場発表でしたが、水分を含み、馬場の内側が伸びづらかったことも勝敗を分けたポイント。ダノンベルーガ最内枠に泣きました。

 

 

【レース分析】 ジオグリフ(5番人気)は多少うるさい面を見せていましたが、気持ちがピリッとして歩様にも勢いがありましたね。上々の仕上がりでした。福永騎手は初騎乗と思えぬ素晴らしい騎乗でしたね。まずスタートを決め、ビーアストニッシドの上昇に合わせるようにして1コーナーまでにいい位置が取れました。そして勝負どころではイクイノックをピッタリとマークしつつ、内のダノンベルーガに蓋をするような形。ダノンベルーガが内に進路を取ると、すかさず外から進出を開始。坂を上がってから、イクイノックスを競り落としたあたりはジオグリフの地力ですが、福永騎手のエスコートが完璧でした。

 

ジオグリフの4代血統表

 

「ゲートの立ち方はあまり良くなかったけど、そのなかでもいいスタートが切れたことで、楽にポジションを選べたことは大きかったですね。長く脚を使えるので、4コーナー手前で少し外に持ち出して、エンジンをふかしながら直線に向かう形に。能力的にチャンスがあると思っていましたが、素晴らしいレースをしてくれました。牧場、厩舎が力を合わせていいコンディションに持ってきてくれたし、一番いい結果を出せたことをジョッキーとして嬉しく思います」とレース後に福永騎手はコメント。2歳時は粗削りな面を見せていた馬がクラシックの大一番で鞍上と心をひとつにして最高のレースを体現したのには驚かされました。日本を代表する名手とともに進む日本ダービーでどんなレースをするのか今から楽しみでなりません。

 

 

 本命に推したイクイノックス(3番人気)は若駒らしい緩さはありますが、前回の東京スポーツ杯2歳Sでもそう見えましたから、この馬体増は成長分だということでしょう。他馬の出方を窺いながら、レース序盤はジオグリフと同じ位置を進みました。大外枠の分、前に壁を作れず、いくらか掛かり気味に3番手へ。それでも、押し切れると思ったのですが・・・。やはりGⅠ。少しでもロスがあると勝利には届かないものです。

 

 

 1番人気のドウデュースは無駄肉を削いで本番仕様の仕上げ。状態は申し分なかったですね。スッと控えて後方3番手。流れが落ち着いたことで、上位2頭と位置取りの差が出てしまいましたが、最後は目立つ伸びを見せて③着。着差ほどの力差はなく、今日は展開が向かなかったことに尽きます。アスクビクターモア(6番人気)は想定していた展開になりませんでしたが、無理に控えて折り合いを欠いてはならぬと積極策を選択。大一番で慣れない戦法を取る形になりながらも0秒4差⑤着と崩れなかった点は評価できます。キラーアビリティ(4番人気)は出遅れて後ろから。勝負どころのペースUPにも反応できず、力を出し切っての敗戦ではないのは明白です。

 

 

 

 

 

 

             text by 京増 真臣

 

 

 

 

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