11月5日(日曜)に東京競馬場で行われた第61回GⅡアルゼンチン共和国杯(芝2500m・3歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)はゼッフィーロ(単勝1番人気)が優勝。管理する栗東・池江泰寿調教師は当レースは3勝目。騎乗したJ.モレイラ騎手は初勝利となった。ゼッフィーロは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 アフリカンゴールドがジワっとハナを奪い、ディアスティマが積極策を取らなかったことで前半の1000m通過は61秒1のスローペース。ただ、中盤以降のラップを見ると分かる通り、極端に緩んだ箇所はなく、逃げ・先行馬にとっては息が入りづらかった印象。結果的に差しタイプが台頭する決着となりました。

 

 

 

 

【レース分析】 勝ったゼッフィーロ(1番人気)は、ディープインパクト産駒らしく均整の取れた造り。身のこなしも滑らかでした。秋2戦目とうこともあって、きっちり状態も上向いていましたね。後方のインで脚をためながら追走。勝負どころで馬群が固まってしまい絶体絶命かと思われましたが、僅かに開いたスペースを突き、鮮やかに抜け出して快勝。ゼッフィーロ自身の地力もありますが、どこが開くのか分かっているかのようなJ.モレイラ騎手の絶妙なエスコート。痺れましたね。

 

 

 

 

 「レース前からポイントとして、いいスタートを切ろうと厩舎サイドとも話していたんです。スタートが良く、道中リズム良く運ぶことができました。直線の入り口で前が壁になりスペースがなかったんですが、待つしかなかったです。一瞬、焦りましたが、内にスペースができてからは、すぐにそこを取り、ゴールまで脚を見せてくれました。強い勝ち方ができたと思います。いい馬ですし、また日本で重賞を勝てて嬉しいです」とレース後にJ.モレイラ騎手はコメント。厳しい状況を打破した点は価値が高く、②~④着馬が接戦を繰り広げるのを尻目に1馬身突き抜けたのですから完勝と言っていいでしょう

 

 

ゼッフィーロの4代血統表

 

 

 マイネルウィルトス(5番人気)は太く映るのは体形的なもの。体は若々しく、柔らかみもありました。横山武史騎手の仕掛け、判断は抜群。スムーズに運ぶことを心がけ、外を回して長くいい脚を使う特性を存分に引き出しました。今回は勝ち馬の瞬発力が一枚上でしたが、完全復活をアピールしました。チャックネイト(2番人気)は体にボリューム感があり、テンションも上がらず、叩いた上積みは十分感じられました。目下の充実ぶりを示す③着(同着)。重賞初挑戦でこれだけ走れれば立派ですね。ヒートオンビート(4番人気)は休み明けを使って体が絞れており、活気あふれる周回。終い勝負に徹し、直線はしっかり脚を使っていましたし、59キロのトップハンデを背負って地力の高さは示しました

 

 

 

 セファーラジエル(15番人気)は体が締まり、柔らかく力強い歩様。内をロスなく立ち回り、先行勢では唯一、掲示板内を確保しました。今後も展開ひとつで、重賞であってもチャンスがありそうです。アーティット(6番人気)は体の無駄肉が取れ、ハツラツとした動き。好位のインに収まりましたが、ヨーイドンはレースは不向きですし、進路も開きませんでした。結果的にスタートが良かったですから、積極的に運ぶ選択肢と取っても良かったかもしれません。またディアスティマがジックリと構えたことも意外であり、レースプランに狂いが生じたのかもしれません。

 

 

text by 京増 真臣

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

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