2021年11月7日(日) 5回阪神2日
1000m通過62秒1は、同日1Rの2歳未勝利とコンマ1秒しか違わない、かなり遅いペース。その分、残り1000mから12秒1、11秒9と速くなりました。ペースを握ったアナザートゥルースが③着に粘り込みましたが、前で運んで掲示板に載ったのは、この馬だけ。もともと地力は高い馬です。松山騎手は「被されずに嫌気をささないよう意識していきました」と話していたように、揉まれなければ、これぐらい走って不思議はありません。最近は右回りの時だけブリンカーを装着。
序盤のペースは遅かったですが、向正面に入って12秒5、更に後方にいたエクスパートランが動いて12秒1、11秒9と一気にペースが上がりました。メイショウハリオは勝負どころでオーヴェルニュに寄られる場面もありましたが、できるだけ外を回さずロスなく運べたのが勝因のひとつでしょう。浜中騎手も「前走、岩田康騎手が内の狭いところを割る競馬をしましたが、その経験があったことで、今日も馬群を割ってくれたと思います」と話したように、うまい騎乗でしたし、力をつけています。また、コメントの「いい感じで1角に入れました」は、②着馬とのポジション争いに勝ったことについてでしょう。
ロードブレスは後続に2馬身半差をつけてのハナ差惜敗。1角のポジション争いに敗れ、4角でも動きづらい位置。直線も残り300mぐらいまで前が塞がっていましたが、開いてからの伸びは一番。着差を考えると本当に惜しい内容です。プリティーチャンスは大外枠スタートで後方から。勝負どころで外々を回って直線で脚を伸ばしてきました。展開も嵌まりましたが、オープンでも十分にやれることを証明。2番人気のメイショウムラクモは1番人気のクリンチャーをマークする形。上位とは決め手の差が出ましたが、マークした相手は交わしており、初めての古馬との重賞を考えると悪くありません。
連覇を目指したクリンチャーは色々と敗因が考えられます。同じ1番人気で勝ちにいく競馬にしても、自分のタイミングで動けた昨年と、他馬に動かされた今年とでは違うでしょう。また、ひと叩きして臨んだ昨年と、休み明け緒戦の今年とではデキの面でも違いがあったはず。1度使われての変わり身に期待です。オーヴェルニュはスローペースの序盤で力んでいましたし、スピードに乗った3、4コーナーのコーナーワークも今ひとつ。勝ち馬に迷惑をかける形になり、リズムを崩しました。やはり、左回りの方がいいでしょう。
text by 小林
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