10月29日(土曜)に東京競馬場で行われた第11回GⅢアルテミスS(芝1600m・2歳牝馬・馬齢重量・晴れ・良馬場)はラヴェルが優勝。騎乗した坂井瑠星騎手はアルテミスSは初勝利。管理する栗東・矢作芳人調教師とも2勝目となりましたラヴェルは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲キャロットファーム

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 スタート自体はディナトセレーネなどの方が速かったですが、2ハロン手前でアリスヴェリテが追い上げてくるとこれにハナを譲ってペースダウン。前半4ハロンが47秒8に対し、後半は46秒0、そして上がり3ハロンはすべて11秒台の前半ですから、基本的には先行有利。差しタイプには優れた瞬発力が求められる展開となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったラヴェル(単勝3番人気)は大外枠でも初戦と同様、スタートが今ひとつでしたが、鞍上はレースで初騎乗でも慌てることなく折り合いに専念。じっくりと構えて4コーナーを回るまではポジションを上げることもせず、直線を向くと軽く促し始め、本格的に追い出すと馬も反応良く一気に加速して前を捉え、②着馬の追撃も振り切りました。

 

 

 「調教で初めて跨った時から重賞を勝てる馬だと感じていましたし、とにかく折り合いがスムーズなら、と思って臨みました。直線を向いて軽く仕掛けた時には勝てるだろうと確信できるくらいでしたし、抜け出してからも後続の追撃を凌げるだろうと感じられる脚いろでした。この先、GⅠでもチャンスがある馬です」とレース後に坂井瑠星騎手は力強くコメント。頭数の揃うGⅠに向けてはスタートの課題が残りますが、姉のナミュールに匹敵するか、それ以上の脚力を備えていることは改めて示しましたから、順調に本番へ駒を進めてくれることを願うばかりです。

 

ラヴェルの4代血統表

 

 ②着リバティアイランド(1番人気)は返し馬でイレ込んでいたこともあってか、周りに馬を置いて折り合いをつける戦法に。ただ、ペースが落ち着き、この頭数でも馬群が密集したので終始、包まれる形になって、直線を向いてからもしばらく進路がなく、鞍上が追い出せたのはすでに勝ち馬が一気に加速し始めてから。ゴール前は相手を凌ぐ勢いで伸びていましたが若干、脚を余した感があり、能力全開とはいきませんでした。それでも、負けて強しの内容だったことは確かですし、窮屈な競馬をしたことが今後につながることも期待できます。今から勝ち馬との再戦が楽しみですね。

 

 

 ③着アリスヴェリテ(6番人気)は展開利があっての健闘ですが、初戦は直線で外から伸びての差し切り勝ち、前走の野路菊Sは今回と同様の戦法で牡馬相手にオープン②着と自在性がある点が強み。次走以降も大崩れはしないと見ていいでしょう。そして④着が当日版の紙面で自分が◎にしたデインバランス(2番人気)で、今回も馬体の造りは良く見えましたが、レースになると行きたがる面を見せたことが誤算。初戦以上に折り合いを優先する形になり、直線では②着馬と同様、進路がなく、追い出しを待たされてしまいました。それでも、最後はしっかりと脚を伸ばしていましたから、上位馬と勝負づけが済んだと見るのは早計でしょう。今回の損失はどこかで取り返せる馬、そう考えています。

 

 

   text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

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