2022年1月9日(日) 1回中京3日
昨年に続いて中京で開催。この日の芝は基本的に内有利でした。ひとつ前の10Rは1400m1分19秒6の決着とペースによっては速い時計の出る馬場。クッション値も10.3とやや硬め。踏み固められているせいか、内がボコボコしているように映る見た目とは違った印象を受けました。
レースは前半35秒2─47秒0、後半47秒1─35秒1のミドルペース。同日5Rの3歳未勝利が1分34秒7でしたし、前述の馬場状態を考えると、1分34秒1の時計は特筆すべき数字ではないでしょう。勝ったマテンロウオリオンは出遅れた前走とは違いスタートを決めて、逃げ馬の後ろに収まります。今日の馬場、ペースを考えると、このアドバンテージは大きかったです。勝負どころも手綱を押さえて手応えは抜群。直線も前がきれいに開いてラチ沿いから伸びてきました。外から伸びてきた②着馬を抑えて重賞初制覇。昨年は重賞未勝利に終わった横山典弘騎手でしたが、2022年は幸先のいいスタートを切り、「今日は返し馬から抑えるのが難しそうだったので、引っ張り殺さないようにいきました。馬本位で運んで、今日はあそこが一番いい位置だと思います」と、コメントにも内容に満足している様子が窺えました。
ソリタリオはデータ室の◎。昨年は中京で連対経験のあるモーリス産駒のワンツーでしたが、今年も連対を確保。スタートはひと息で中団から。いつでも外に出せる位置取り。勝ち馬との着差を考えると通ったところの差とも言えるでしょう。今日は枠順の良さを生かし切れませんでした。レッドベルアームは少し離された③着。道中は中団の後ろ。4角で前をいく②着馬を追いかける形で直線へ。課題だった道中の折り合いはついていましたが、直線は何度か手前を替えるなど幼い面を見せていました。
ビーアストニッシドは好枠からダッシュを決めて前へいきましたが、外からシーズザデイに交わされて、その後ろのポジションも勝ち馬に取られてしまいました。控える競馬になったこともあってか、道中はガッツリと引っ掛かっていました。もうひとつ前の勝ち馬のポジションを取れれば理想的でしたが、あの形から④着までよく来ていますし、今回の経験は今後につながるでしょう。デルマグレムリンは前走同様、終いに賭ける競馬。馬群の外を回してレース最速上がりで追い上げてきました。自分の競馬はできましたが、今日の馬場、展開では⑤着まで。もう少し器用さが欲しいですが、脚はあります。
単勝1.8倍と断然の1番人気に支持されたラスールは⑦着。データ室では無印。引っ掛かった項目は「関東馬は東京、中山以外でレースを経験していること」という点。キャリアの浅い3歳戦だけに輸送経験は大事なのかも。2番枠でしたが、パドックでは二人曳きで最後尾を周回。レースでは出遅れて、向正面では行きたがっていました。直線に入るとセルバーグに前をカットされて外に切り返し、ジリジリと脚を使っていますが、上位を脅かすまでには至らず。まだキャリア1戦でしたし、次に期待しましょう。
text by 小林
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