2月12日（土曜）に東京競馬場で行われた第57回ＧⅢクイーンC（芝1600ｍ・3歳牝馬・別定・晴れ・良馬場）はプレサージュリフト（単勝2番人気）が豪快に差し切って優勝。騎乗した戸崎圭太騎手は昨年に続いて連覇。しかも、JRA通算1,200勝のメモリアルVとなりました。管理する美浦・木村哲也調教師は当レース初勝利。プレサージュリフトは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は（有）サンデーレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 大方の予想通りにスマイルアップが外枠から気合をつけて先手を主張。行き切る時の2ハロン目が10秒９と少し速くなりましたが、以降は12秒台のラップが続いてペースが落ち着き、終盤の３ハロンはすべて11秒台。東京コースの3歳重賞らしく、速い上がりに対応できる瞬発力と、それをある程度、持続できる決め手が要求される展開になりました。
▲パドックを歩くプレサージュリフト（撮影：yu～kun）12キロ増と体を増やし、成長が感じられた。
スケールの大きさ感じる末脚
【レース分析】 勝ったプレサージュリフト（単勝2番人気）は12キロ増の馬体に放牧で成長を促した効果がはっきりと窺え、外枠で出遅れても鞍上は慌てることなく、道中は後方の外めをマイペースで追走。勝負どころからも馬群に入れることはせず、外を回りながら長く切れる脚を使って、ゴール前で測ったように②着馬を捉えました。
▲プレサージュリフトの4代血統表
「スタートは扉が開いた時に少し怖がる感じでしたが、そのあたりは覚悟していました。ゴチャゴチャしたくなかったので、外枠で乗りやすかったですし、とてもいい感じでした。直線も手応え十分でしたが、こちらは外を回っていたので、内めの馬たちがどれだけ伸びるか、と思いました。ただ、伸び始めてからのフットワークも凄く良かったですし、強い勝ちっぷりでしたね。新馬戦も強かったので今日も期待はしていましたが、このメンバーで、このパフォーマンスですから、今後がとても楽しみです」とレース後に戸崎圭太騎手はコメント。確かにキャリア2戦目に、馬群の外めを回る形で重賞を勝ち切ったのですから能力の高さは疑う余地がありませんし、桜花賞へ直行すると初めての左回りや長距離輸送など、課題も少なくありませんが、それらをあっさり克服して不思議のない器といえます。
本番でも期待が持てるスターズオンアース
②着のスターズオンアース（1番人気）は前走のフェアリーSと同様、好位で折り合いをつけて馬群の中から抜け出すパターン。今回も先頭に立つと少し右に張るようなところが見られましたが、多頭数のGⅠになると流れに乗れる脚質や狭いところを割れる勝負根性は強みになりますから、本番でも目の離せない存在といえます。③着ベルクレスタ（3番人気）は外枠で掛かった阪神JFを教訓に、折り合いを優先して道中は勝ち馬と横に並ぶような位置。ただ、こちらは内にいたので３～４角で動けず、直線入り口では最後方まで下がる形。それでも直線は鋭く伸びてきましたから、スムーズなレースができれば切れる脚を使えることが確認できました。桜花賞では右回りへの対応がポイントになりますが、こちらも本番に向けての展望は開けたと見ていいでしょう。
④着が個人的に紙面で◎として、16面の推奨馬にもしていたラリュエル（6番人気）で、初の長距離輸送で10キロの体重減は想定の範囲内。すっと流れに乗ったレース運びも期待通りでしたが、直線で最内を突いたので先行馬の後ろで前を捌くのに少し手間取り、勢いもつけにくい形に。上位馬の脚勢を考えると逆転できたとは言えませんが、不完全燃焼のレースになったことも確かですし、どこかで今回の負債？を取り返したいものです。以下では⑪着のショショローザ（10番人気）も目につくレースぶりだったので、こちらは“次走の狙い馬”に詳しく述べておきます。
text by 五十嵐 友二
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
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【データ泣き笑い】 〇前走クラス・・・勝ち馬は前走は前年10月に行われた芝1600ｍの新馬戦。②着馬は前走がGⅢ②着とどちらも連対条件をクリアしていた。 〇レース間隔・・・勝ち馬は昨秋以来の実戦だったが、②着スターズオンアースはフェアリーSから中4週での出走。レース間隔が詰まっていても前走が重賞で馬券に絡むか、上位人気に支持されていた馬なら狙いは立つ。
《クイーンＣ 2017－21》 |