第17回オーシャンＳ回顧

　3月5日（土曜）に中山競馬場で行われた第17回ＧⅢオーシャンS（芝1200ｍ・4歳以上・別定・晴れ・良馬場）はジャンダルム（単勝2番人気）が好位から鋭く抜け出して優勝。騎乗した荻野極騎手、管理する栗東・池江泰寿調教師ともオーシャンSは初勝利。①着のジャンダルムはＧⅠ高松宮記念の優先出走権を獲得した。ジャンダルムは米国・North Hills Co.Limitedの生産馬。馬主は前田幸治さん。

それでは、レースを振り返っていきましょう。

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【展開・ペース】　好スタートを決めたデトロイトテソーロが飛び出して先頭。しかし、外からビアンフェが徐々に内へ進路を取りつつジワーッと加速。3コーナーに入るあたりでデトロイトテソーロを交わして先頭に立ちました。前半3ハロン通過は33秒4。決して遅い流れではないものの、開幕週と同様に先行勢に有利な馬場も味方に前で運んだ馬がよく踏ん張りました。

▲元気にパドックを周回するジャンダルム（撮影：yu～kun）

名牝の仔が春を迎えた中山で躍動

【レース分析】　前走は序盤から積極的に2番手を進み、直線で失速したジャンダルム（2番人気）。同じ轍を踏むまいと荻野極騎手はスタート後、自然体で好位追走。3コーナー付近からジワリジワリと進出します。速いペースの中でも上手にためが利いていたようで直線に向くと手応え通り、鋭く伸びて抜け出しました。

▲ジャンダルムの4代血統表

「この馬はゲートが課題だったんですが、理想のスタートが切れました。前回は先頭に立つのが早くなってしまったので、反省点に今日は前に馬を置くことを心掛けました。いい手応えで直線に向けたし、ラストまでしっかり伸びてくれました。4コーナーから直線にかけての感じが良かったし、力がある馬なので、このまままっすぐ走れば勝てると思いましたよ。年齢はいっていますが、体はフレッシュに感じますし、強い勝ち方ができました。これまで乗せて下さった関係者、一生懸命走ってくれた馬に感謝して、これからも精進していきたいです」とレース後に荻野極騎手はコメント。スタートが不安定なジャンダルムですが、荻野極騎手騎乗時は出遅れたことが1度もありません。また中山ではこれが3勝目とコースも合っていますね。ビリーヴの仔ですから重賞制覇は遅過ぎたぐらい。出走権を獲得し、いざ高松宮記念へ。個人的には秋のスプリンターズSでもしっかりと狙いたいなと考えています。

荻野極騎手はデビュー7年目。これが嬉しいJRA重賞初勝利となった（画像は競馬ブック提供）

　ナランフレグ（4番人気）はいつも通り意識的に後方に控えて脚をためる戦法。残り2ハロンからスパート。直線に向くとうまく外へ持ち出して最速の上がり3ハロンをマークして猛追しました。以前あったムラな面は解消し、今は左回りでも右回りでも鋭い脚を使えるようになっています。中京芝1200ｍ巧者でも知られ、本番に出走が叶えば軽くは扱えません。➂着には途中からハナを切ったビアンフェ（5番人気）が入りました。外枠ということもあってスタート後から気合をつけて先手を主張せず、リズムと気持ちを大切に気分良く走らせたことが最後のひと踏ん張りにつながりました。実績や手前変換の関係からも右回りの方が合っていますね。

　ダディーズビビッド（8番人気）は久しぶりの重賞出走でしたが、小差④着。3、4コーナーでもう少し滑らかに加速し、勝ち馬を追うようにして直線を迎えられていれば際どい勝負になったかもしれません。⑦着マリアズハート（6番人気）は1番枠から内にこだわってレースを進めましたが、直線では進路が開かずに脚を余してしまいました。1番人気スマートクラージュは⑩着。好位のインに陣取り、我慢しながら直線に向いたもののいつもの伸びは見られず。3コーナー付近で外から寄られて内に押し込まれたのが影響したのでしょうか。ただ、善戦したダディーズビビッドには前走で完勝しており、比較からここでも通用する素材なのは間違いありません。厳しい戦いを重ねて精神面がタフになってくれば重賞タイトル獲得も見えてくるはずです。

　　　　　　　　　　　　　text by 藤原有貴

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

理想の馬券を追い求めて

～券種選び、資金配分泣き笑い録～

　みなさま、ご機嫌いかがですか？研究ニュース編集部の藤原です。私、競馬を見るようになって20年以上が経ちました。試行錯誤し、予想や印をどのように打つかということに関してはやり方が固まりつつあります。しかし、馬券の買い方というのは本当に難しく、いまだにフォームを確立できず、レース直前まで悩むこともしばしば。それを会社に相談したところ、このコラムがスタートすることに。最初は軍資金10,000円勝負にしてみては？と提案されましたが、読んで下さった競馬ファンの方々にも共感してもらえるように、また買い目が増え過ぎると参考にならないのではということで3,000円に（ホントは私の懐事情を考えて）設定しました。日本中には私なんかより馬券上手の方が多数いらっしゃいます。アドバイス、またご自身の当たった報告、ハナ差で万馬券逃してひっくり返ったなんて思いをコメント欄に書き込んでいただければ励みになります。

【オーシャンＳ　藤原の予想印】

◎⑦ジャンダルム

〇②スマートクラージュ

▲①マリアズハート　△⑧③⑩⑭

“競馬の格言は令和でも健在！？”

　本命はシルクロードSでも期待した◎ジャンダルムと週始めから決めていました。ちょうど、前走はうまナビ！イレブン（BSイレブンで放送中）に出演した時でして、自信があったものの、慣れない積極的なレース運びから失速。それでも、荻野極騎手が騎乗すると上手にスタートを出るんですよね。問題はジャンダルムのキャラクター。ここまでの全成績は［5・1・3・16］。特に5歳以降は［3・0・1・9］と勝つか、負ける時は④着以下になるという戦績。10勝しているものの、②着は3回だけだった母ビリーヴの仔らしくこれも遺伝！？ある程度、人気も背負うだろうということで、ジャンダルムは①着固定で買おうということは早い段階で決まりました。

　もう1頭気になるのは同じ池江泰寿厩舎の〇スマートクラージュ。1,200ｍでは2戦2勝。好位で流れに乗れてロスなく運べる2番枠にも入りましたから高確率で馬券になるのでは。しかし、コラム第1回目でもあり、ブレブレで点数をバラバラ買うということは避けたい。カッコ良く◎ジャンダルムを①着に固定するという信念は曲げずにいこう！それでも、連対はするでしょうと考え、勝負馬券は◎ジャンダルム→〇スマートクラージュ→残りの印各馬という3連単に。残る印を打った5頭は馬単①着固定で流そう。これで終わっておけば良かったのですが、どうしても気になるのは▲マリアズハート。昨年、ジャンダルムが勝った春雷Sでは今回と同じように最内枠に入り、大野騎手が上手にエスコートして②着に浮上。枠順と良さげなパドックの雰囲気を見て、気持ちが揺らぐ揺らぐ。ということで押さえとして〇スマートクラージュと▲マリアズハートの2頭軸3連複流しも追加したのでありました。

～藤原の買い目～

券　種	買　い　目
３連単（①②着固定）	⑦→②→①③⑧⑩⑭（5点）各200円
馬単（①着固定）	⑦→①③⑧⑩⑭（5点）各200円
3連複（2頭軸）	①②－③⑦⑧⑩⑭（５点）各200円
合計金額	3,000円

　そしてレース。◎ジャンダルムはスタートを決めて好位追走。4コーナーを回って素晴らしい手応えで逃げるビアンフェに接近していくではありませんか！！！直線に向いてジャンダルムが抜け出した瞬間、気分は最高潮に！ここで◎の勝利を確信。単勝馬券をしこたま買っていれば、すぐさま祝勝会の準備に入るのですが、今回は馬単、3連単がメイン馬券ですから②③着が重要。1度冷静になって②着争いに目を向けると、印を回していないダディーズビビッドの脚いろがいいではありませんか！？馬単を押さえてある『ビアンフェ頑張れ、踏ん張れ！』と応援しますが、伸びが鈍ってかなり際どくなりそう・・・。とそこへ、画面の外から凄い脚を使って何かが飛んできた。これは△ナランフレグ！綺麗に差して②着に上がったところがゴール。余談ですが、競馬を長くやってるとゴールする瞬間、②着にナランフレグが浮上したのは大体分かるのですが、あまり際どくないのにも関わらずゴールの瞬間、周りの人に『②着ナランフレグだよね？差してるよね？ね？ね？ね？』とたずねてしまうこの現象は一体何なんでしょうか。「そうだよ」という周りの人の同意を得たいがため、そして何故か同意を得られると、とても気持ちが落ち着くのです。この気持ち分かってくれる方はいいね！ボタンを押してください（当ホームページにはない）。ただ、たずねる相手が➂④着馬から馬券を買っていないかどうかは要チェック！買っていて外していたら喧嘩になります。ということで200円ずつ購入した馬単がヒットし、プラス決算で幸先のいいスタートとなりました。

　1番人気スマートクラージュが⑩着に敗退。最もプラスが期待できた3連単は大ハズレ。しかし、令和になっても“同厩舎の2頭出しは人気薄を買え”という格言は有効なようです（ジャンダルムは2番人気ですが）。着順固定で馬券を当てると本当に嬉しいものです。▲マリアズハートは直線で包まれてしまって不完全燃焼。。。結果的に迷いに迷って買った3連複は蛇足な馬券に。また資金配分もホント大事。もし、300円ずつ買っていれば、との思いも。当たって尚、皮算用するあたりは競馬ファンあるあるですね。