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第66回大阪杯 回顧

 

 

2022年4月3日(日) 2回阪神4日

 馬場は良馬場でしたが、少し緩い感じ。時計的には標準といったところ。土曜日は内有利でしたが、日曜日は外から伸びる馬が目立ちました。ペースは前半58秒8─後半59秒6の前傾ラップ。大阪杯のレースレコードが2011年の1分57秒8ですが、その当時で1000m通過が59秒3。それを含めた過去10年と比べても、かなり速いペースだったことが分かります。レースは内からジャックドールが行きますが、そこまでスタートが速いわけではなく、外のウインマリリン、更に外から来たレイパパレ、アフリカンゴールドからハナを取り切るためにテン2ハロン目が10秒3の入り。先団の後ろにポタジェ、ショウナンバルディ。中団にヒシイグアスと1番人気のエフフォーリア。それをマークする形でアリーヴォ。アカイイトは後方から。

 ポイントの1つは単勝1.5倍と断然人気だったエフフォーリアの行きっぷりの悪さ。アリーヴォはうまく内を捌いて伸びてきましたが、結果的にはマークする相手を間違えたかなと。早めに動かざるを得なかった分はあるでしょう。ただ、後半の捌きは素晴らしかったですし、このメンバーと展開を考えると③着は評価に値します。レイパパレは金鯱賞では前に馬を置いて折り合い重視の競馬でしたが、今回は積極的に前へ。これはジャックドールに対して楽な競馬はさせないという意思の表れと取りました。今回はアフリカンゴールドがその役を買って出てくれましたが、攻めた騎乗は好印象。直線で満を持して抜け出して、一旦は先頭から最後はクビ差に泣きましたが、この馬も素晴らしいレースぶり。

 そして勝ったポタジェですが、道中は先行争いから一歩引いた絶好のポジショニング。内で我慢して直線でレイパパレの外へ。勝負どころは外のショウナンバルディが早めに脱落してスムーズに捌けました。「前回、自分のリズムでと思っていたらあまり進んでいきませんでした。だから少々ペースは速くなっても、この枠だし、勝つためにはある程度の位置で競馬するしかないと思っていました」と吉田隼人騎手。前哨戦でレースに乗れたことも大きかったようです。地力は勿論のこと、デキ、展開とピタリと嵌まって重賞初制覇がG1勝ちの快挙。

 ヒシイグアスも展開的に悪くないポジショニングでした。池添騎手は「1~2角から内にモタれていましたし、直線も同様でした。いい頃には今一歩の状態だったかもしれませんが、それでもここまでやれるんですからね」と能力の高さを絶賛。さすがはハイレベルの天皇賞秋をぶっつけで⑤着に来ただけのことはあります。ジャックドールは初めてのG1で厳しいペース。ラスト1ハロンまで踏ん張った粘りは驚異的でしたが、これまでと比べると序盤のツケでペースを上げ切れなかったと見るべき。右後肢を落鉄していたとの話もあり、力は証明できたかと。速い流れでもレベルの高いG1だと前も簡単には止まりません。後方から4角で大外を回して伸びきたアカイイトでしたが、上位を脅かすには至らず、エフフォーリアも交わせなかった点には不満が残りました。

text by 小林  

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