4月30日(土曜)に東京競馬場で行われた第29回GⅡ青葉賞(芝2400m・3歳・晴れ・良馬場)はプラダリア(単勝4番人気)が粘るロードレゼルをゴール前で交わして優勝。騎乗した池添謙一騎手、管理する栗東・池添学調教師とも青葉賞は初勝利。この結果、プラダリア、ロードレゼルが日本ダービーの優先出走権を獲得した。プラダリアは北海道新冠町オリエント牧場の生産馬。馬主は名古屋友豊㈱

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 押し出されるようにしてハナに立ったのはロードレゼル。しかし、スタートで接触したためにスイッチが入ったディライトバローズが1コーナー過ぎにロードレゼルに競りかけ、交わして先頭を奪いました。前半1000m通過が58秒9と速い流れ。ただ、馬群が縦長になりましたからディライトバローズ自身はハイペースの逃げでも、離れた2番手でやや速め、3番手は平均ペースだったと考えていいでしょう。位置取りも勝敗を分けるポイントとなりました。

 

▲パドックを歩くプラダリア(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】 プラダリア(単勝4番人気)はディープインパクト産駒らしい品のある造り。踏み込みが深く、それでいて身のこなしは滑らかでした。馬場状態のいい東京コースが舞台ですから、その点を意識し、鞍上の池添騎手はスタート後、ポジションを取りにいくことを選択。前を射程圏内に入れつつ、上手に脚をためられました。直線に向くと前を行くロードレゼルを目標に一完歩ずつ差を詰め、ゴール寸前できっちり捉えました。鞍上の好騎乗が光りましたね。重賞経験馬が少なく、例年と比較しても出走メンバーの質は決して高くありませんでした。ただ、水分を含んだ良馬場で2.24.2という勝ちタイムは例年と比較しても水準レベルに達していると考えます。

 

プラダリアの4代血統表

 

「初めて跨った時からクラシックに行きたいと思っていました。それが②着が続いてなかなか勝ち鞍を挙げることができなかったので、ダービーを目指しましたが、権利を取ることができて良かったです。また今年も弟(池添学調教師)と一緒にダービーに向かえると思うと嬉しいです。まだ成長しなければなりませんし、修正することもありますが、いいモノを持っているので、本番に向けて無事にいってほしいです」とレース後に池添騎手はコメント。昨年のヴィクティファルスに続き、今年も池添謙一騎手&池添学調教師の兄弟コンビで挑む競馬の祭典・日本ダービー。確かに皐月賞組は強力ですが、連勝中の勢いに乗って堂々と戦ってほしいものです。

 

 

 ロードレゼル(2番人気)はマイナス8キロと体が絞れ、今年2戦目で上積み十分。展開・ペースの項でも記したように1コーナー過ぎにディライトバローズに競り込まれてしまいました。その後は離れた2番手に収まり、脚をためて追走。序盤に消耗しながらも直線に向くと一旦は完全に抜け出し、半馬身差の②着。敗れましたが、立派な内容でした。エターナルビクトリ(6番人気)はパドックでの周回が活気に溢れており、前走以上のデキに映りました。折り合いに専念する形で最後方を追走。メンバー最速の上がりを駆使して差を詰めてきましたが、2番手以降のペースは決して速くありませんでしたから前で流れに乗った上位2頭には及ばず。位置取りの差が出てしまいました。

 

 

 グランシエロ(5番人気)は馬体の緩さがなくなり、テンションも上がらず、心身ともに成長してきましたね。どうしてもスタートの出はゆっくりなんですが、あの程度なら許容範囲内。直線に向くとスムーズに外へ出し、いい脚を見せましたが、ラスト100mあたりで脚いろが鈍りました。1番人気レヴァンジルはリズム良く4番手を進んでいたが、直線は手応えほど弾けずに⑤着。前走で逃げるレースをした影響で脚がたまらなかったのか、もう少し軽い芝の方が向いているのか、性能を思えば物足りない走りでした。

 

 

 

 

 

 

             text by 京増 真臣

 

 

 

 

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