思わず「◎やったか~」と隣の石井大輔君から声が漏れた。

同時に顔を見合わせて苦笑。

開催最終日の阪神5Rでブッシュガーデンが1着でゴールした直後のことだ。

話はその3日前の木曜日まで遡る。

ブッシュガーデンの談話を校正していた私の手が止まった。

談話の締め括りが「間違いなく上位争いになると思う」と書いている割には談話の印は○。

研究ニュースの談話には、◎強気、○普通、△弱気のマークが打ってあるのだが、これは◎でもええんとちゃうのかな?と。

隣の石井君にも聞いたが、「そうですねぇ。◎でも良さげですね」と。

勿論、担当TMが取材した物を勝手には替えられない。

そこで美浦の担当者にチャットで聞いてみた。

私「ブッシュガーデンの談話は◎に上げていいですか?」

担当者「勝ち負けとまでは言っていなかったので◎にはしなかったんですが」

担当者「この馬自身、微妙に決め手がないので勝ち切れないんですよね。以前、師が強気で◎にしたときも駄目だったので。でも、○だらけでも面白くないですし、他に◎がいないのであれば◎に変えても構いません。一報入れて下さいましたし、お任せします」

以上のやり取りがあった上で結局は○のままにした。

確かに上位に来るとは言っているが、勝ち負けとまでは言っていないこと。

また、担当者が○に込めた想いに納得できたからだ。

果たして、ブッシュガーデンは我々の思惑など関係なく見事に結果を出した。

たかが印、されど印。

研究ニュースの談話の印すべてとは言いませんが、概ねこんな感じで担当TMの思いが色々と詰まっていたり、編集と現場のやり取りがあったりします。

そんなことを想像しながら談話を読んでみると、また違った物が見えてくる、かもしれません。

小林  

余談ですが、レース直後に担当者からチャットが届きました。

「話◎にするべきでした」と……。