競馬 研究ニュース

第70回 京都新聞杯 回顧

 

 

2022年5月7日(土) 3回中京1日

 昨年に続いて中京での開催。馬場は開幕週らしくスピードが出る馬場で、2分9秒5の走破時計は従来の記録を0秒4更新するJRAレコードでした。最内枠のメイショウラナキラがスタートを決めてハナへ。ミスターホワイト、人気のブラックブロッサムが続いて最初の3ハロンが34秒0。その後も極端にペースは緩まず、前半1000mは58秒2。前の組には厳しい展開となりましたが、そんな中でもブラックブロッサムは外めを先行し、直線で一旦は先頭に立つかの場面を作って⑤着。負けはしましたが、地力を示した格好です。勝負どころで同じような位置にいたリカンカブールですが、こちらは内枠でロスのない競馬ができた分、内有利の馬場と併せて良かったです。とはいえ、この展開で④着と頑張りました。

 日本ダービーへの切符を手に入れたのはアスクワイルドモア。同馬を管理する藤原英昭調教師は、弟子の岩田望来騎手とのコンビで9RにJRA通算800勝を達成。そして、11Rで重賞勝ちと大活躍でした。序盤は後方から終始ラチ沿いを立ち回って4角で外へ。最後は先に抜け出したヴェローナシチーを外から差し切って重賞初制覇。展開と馬場を考えると完璧な立ち回りとも言えますが、4角で外へ出す時に他馬の進路を妨害してしまったため岩田望来騎手は2日間の騎乗停止になりました。

 ヴェローナシチーは器用に脚を使えるタイプではないですし、今回も後方から。残り1000mからジワッと馬群の外を進出。優先出走権を獲るには1着が条件ですし、朝から馬場の内が良かったことも鞍上は当然知っていたでしょう。結果、レコード決着の流れを外から勝ちにいく競馬になりました。直線で一旦は先頭。交わされてからも渋太く脚を使っており、内容的には負けて強し。ボルドグフーシュは出遅れ、内の馬とも接触して最後方から。道中は内々で勝ち馬を見ながら4角で外へ。ロスを差し引いても速い流れは好都合でした。終いを温存する自分の競馬はできましたし、初重賞で健闘です。

 前述の通り、リアドとストップザタイムは4角で不利。2番人気のポッドボレットはまさかの最下位。この馬場ですし、位置を取りに行きたかったでしょうが、外枠でそれが叶わず、しかも外々を回らされる形。最後は無理をしていませんでした。福永騎手によると、「こんなに走れない馬ではないですからね。何かしらの異常があったんだと思います」とのこと。

text by 小林  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。