9月10日(土曜)に中山競馬場で行われた秋華賞トライアル第7回GⅢ紫苑ステークス(芝2000m・3歳牝馬・馬齢重量・晴れ・良馬場)はスタニングローズが1番人気に応えて優勝。騎乗した坂井瑠星騎手、管理する栗東・高野友和調教師とも紫苑Sは初勝利。この結果、スタニングローズサウンドビバーチェライラックの3頭が秋華賞の優先出走権を獲得した。スタニングローズは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 好スタートを切ったサウンドビバーチェが外から行く気を見せると、戦前にハナ候補と目されていたコルベイユが初距離を意識してか、2番手で折り合う形を選択。オークスでは先行したニシノラヴウインクも控えたので、3ハロン目からペースが落ちて前半1000m通過は60秒8。後半が59秒1ですから差しタイプ、特に馬群の外を回る形になった馬には厳しいパターンになり、流れに乗れる機動力が要求される展開になりました。

 

 

【レース分析】 勝ったスタニングローズ(単勝1番人気)は隣の馬を先行させて、自然体でゴチャつく心配のない好位の外に位置する理想的なレース運び。終始、前を射程圏に入れながら、勝負どころで後続の動きに合わせてスパートすると、直線は渋太く粘る②着馬の抵抗に遭いましたが、最後はクビ差の結果以上に危なげのない勝ち方を見せました。

 

 

「ホッとしたというのが一番です。先生と事前に相談して、今日の馬場傾向を考えて、ある程度いい位置で運べればという話をしていましたが、最終的には任せてもらい、自分の感覚で乗れました。春に乗せてもらった時より折り合いに進境を感じながら乗っていましたし、追い出してからの反応も良く、もっと楽に交わせるかと思いましたが、休み明けの分、モタモタしたところもあります。次はもっと良くなると思いますし、GⅠを経験して心身ともに成長していることも感じました。春のGⅠは自分は乗っていませんが、秋は勝てたらいいなと思いますとレース後に坂井瑠星騎手はコメント。約3カ月半ぶりの実戦で体重14キロ増は勿論、次を見据えた仕上げでも、成長も感じられる馬体でしたし、センスのいい立ち回りも相変わらず。オークス②着は人気薄での健闘でしたが、秋華賞には有力候補として駒を進めることになりました。

 

スタニングローズの4代血統表

 

 ②着が当日版の紙面で自分が◎にしていたサウンドビバーチェ(2番人気)。ハナを切ることまでは正直、想定していませんでしたが、テン乗りの横山武史騎手が本番の出走権獲得を意識し、積極的なレース運びをしたのは期待通り。更に相手が揃うGⅠで前進はどうかと思いますが、自在性と渋太さを高く評価するべきでしょう。③着ライラック(6番人気)は展開を考えれば外からよく追い込んできましたし、小柄な馬の体重増にも好感が持てますが、この馬は次が秋華賞だと気になるのが関西圏への輸送。過去に阪神で2度、大敗を喫していますから、大きな課題をクリアしなくてはなりません。

 

 

 3番人気で④着サークルオブライフは戦前から陣営が体重減を気にしていましたが、それにしても22キロ減は少し驚きの数字。それでも、勝ち馬から0秒2差ですから、GⅠ馬の地力は示したと言えますが、こちらも秋華賞に向かうとあまりレース間隔がありませんし、馬体の回復、状態UPは難題という気がしています。⑤着カヨウネンカ(7番人気)は直線で進路を変更するロスがありましたが、ゴール前は目につく伸び。初勝利を挙げた後の休み明け、初距離に対応した点でも中身は濃く、次が自己条件だと1勝クラスなので人気は必至ですが、更に上でもと期待を抱かせるレースぶりでした。4番人気で⑨着に終わったサンカルパも1勝クラスを好タイムで快勝した時のデキにはなかったようですから、今回が能力を出し切った結果とは考えない方がいいでしょう。

 

 

 

 

        text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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