10月8日(土曜)に東京競馬場で行われた第8回GⅢサウジアラビアロイヤルカップ(芝1600m・2歳・馬齢重量・曇り・良馬場)はドルチェモアがゴール前で逃げ馬を捉えて優勝。騎乗した横山和生騎手はサウジアラビアロイヤルC初勝利。管理する栗東・須貝尚介調教師は20年にステラヴェローチェで優勝しており、2勝目となった。ドルチェモアは北海道沙流郡日高町下河辺牧場の生産馬。馬主は㈱スリーエイチレーシング

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

▲レース動画はコチラをクリック

 

【展開・ペース】 内からグラニットが注文をつけてハナに立ちました。その後も11秒台のラップが続いたようにペースを落とさず、前半1000m通過は57秒8と平均的に速めの流れ。ただ、大きく離れた後続集団は実質、超がつくほどのスローペース。2番手を追走していた勝ち馬の推定上がりは33秒4。道中の位置取りと瞬発力の優劣がポイントになったと見ていいでしょう

 

 

【レース分析】 勝ったのは自身が当日版の紙面で◎にしていたドルチェモア(単勝2番人気)好スタートから大きく離れた2番手を追走。さながら自分が逃げているのと同じような形となりましたが、しっかりとためが利いた走りにセンスの良さが窺えました。直線を向いてから鞍上が仕掛けると反応良く伸びて、ゴール前で②着馬を捉え、後続にも付け入る隙を与えませんでした。

 

▲体がスッキリとし、いい仕上がりに映ったドルチェモア(撮影:yu~kun)

 

 「走りのリズムが良かったですし、ドルチェモアの力を信じていたので、直線でも届くと思いながら乗っていました。道中の手応えも良かったですよ。血統馬で新馬の頃から期待している馬ですし、返し馬でも良さが伝わってきました。このまま順調にいってくれれば、まだまだ頑張ってくれるでしょう」横山和生騎手はコメント。札幌での初戦が逃げ切りでも一本調子な走りではなく、東京の軽い芝、控える形に対応できたのは期待通りでしたが、メンバー中最速の上がりを計時した瞬発力は想像以上。調教でも併せている同厩のソダシと同様、2歳の早い段階で洋芝から東京の決め手比べへの変化に対応、むしろ更に良さが出た印象ですから、今後が大いに楽しみになりました。

 

ドルチェモアの4代血統表

 

 ②着グラニット(7番人気)は東京の開幕馬場を意識した陣営の作戦、鞍上の判断が見事に嵌まりましたが、このペースで連対圏に粘れたのは馬の能力があればこそ。前走の新潟2歳S⑥着も好位で運んで0秒5差でしたし、展開の恩恵だけが好走要因とは考えない方がいいでしょう。③着シルヴァーソニック(3番人気)は勝ち馬の直後から切れる脚を使えませんでしたが、渋太く伸びて馬券圏内を確保。立ち回りが上手ですし、馬体などもパワーアップする余地がありそうな感じですから、今後の成長を待ちたいところです。

 

 

 そして④着が断然の支持を集めていたノッキングポイント。見た目が前走とは違う競馬でも2番手以降はスローからの瞬発力比べで、自身の上がりは初戦ほどの数字ではありませんでしたから、「もっと切れると思ったんですが、直線でギアがアップせず、ジリジリとした伸びでした」というC.ルメール騎手のコメント通りの内容といえます。となれば続きの「走り方は綺麗なんですが、もっと距離が長い方がいいのかも知れません」というところまで覚えておきたいですね。⑤着マイネルケレリウス(4番人気)はスタートが今ひとつで、レースの流れに乗れなかった印象。今日の展開で4コーナー最後方では厳しかったですし、現状は少し線が細いので、この馬も体がひと回り大きくなれば、変わってきそうな気がしています

 

 

   text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止