10月9日(日曜)に東京競馬場で行われた第73回GⅡ毎日王冠(芝1800m・3歳以上・別定・曇り・良馬場)はサリオスが狭いスペースを割るようにして伸びて優勝。騎乗した松山弘平騎手は毎日王冠初勝利。管理する美浦・堀宣行調教師は当レース4勝目となった。この結果、サリオスが天皇賞・秋の優先出走権を獲得した。サリオスは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 大方の予想通り、レッドベルオーブがハナを切りました。前半4ハロン通過は46秒2、後半も46秒2というまったく緩みのないイーブンペース。地力勝負となりました。

 

 

【レース分析】 サリオス(1番人気)は安田記念から6キロの馬体増。体重こそ増えていましたが、前走時と同様に引き締まった体つき。動きは柔らかく、それでいて力強さが感じられていい仕上がりに映りました。スタートが良く、自然体のまま、好位を追走。3コーナーあたりから馬群が固まり、1列ほどポジションは下がりましたが、しっかり脚がたまっていましたね。直線は狭いスペースをこじ開けるように抜け出し、20年以来となる隔年での毎日王冠優勝。着差以上に力差を示す勝ちっぷりでしたし、しかもレコードのおまけ付き。実力馬が復活を遂げました。

 

▲久々でも緩みのない体つきに仕上がっていたサリオス(撮影:yu~kun)

 

 「強い競馬でした。返し馬でもしっかりと走れていましたし、先生からも『自信を持って乗ってほしい』と話をいただいていましたからね。いい状態でレースを迎えてくれました。スタートも出てくれたし、力のある馬なのでポジションは意識せず、リズムを大切に運びました。直線に向いた時も手応え十分でした。少し前が壁になって行くところがなかったんですが、開いてからは本当に馬が強くて、しっかりと抜け出してくれました。初めて乗せてもらった時からいい馬でしたし、なかなか結果を出せなかったんですが、今日は馬が頑張ってくれて結果を出すことができて嬉しく思います。まだまだやれると思いますよ」松山騎手はコメント。少頭数とはいえ、GⅠ優勝馬4頭が激突するハイレベルな一戦を勝ち切ったサリオス。これが3歳時の毎日王冠以来となる勝利。完全復活を印象付け、次走は待望のGⅠ2勝目成るか注目が集まります。

 

サリオスの4代血統表

 

 ジャスティンカフェ(3番人気)は馬体のボリューム感が増し、休み明けでしたが、テンションも上がっていませんでした。身のこなしも滑らかで、こちらも仕上がりは良かったですね。スタートはゆっくりでしたが、後方待機策。直線は外からダノンザキッドを捉え、一旦は先頭に立つシーンを作ったのですが・・・。今日のところは勝ったサリオスを褒めるべきでしょう。ダノンザキッド(4番人気)はもともとうるさい馬ですが、この日はテンションが高く、パドックの気配は今ひとつ。発走直前、ゲートに突進し、馬体検査から外枠発走。集中が途切れても不思議のないケースでしたが、トップスタートを決めて好位追走。直線に向くと、完全に抜け出すシーンを作りました。残り100m付近から苦しくなって③着に敗れたものの、改めて地力の高さを示した形。ただ、今後も気性面がネックになりますね。

 

 

 ◎レッドベルオーブ(6番人気)は馬体をスカッと見せて脚運びはシャープ。状態は良さそうでした。スタート後、外からキングオブコージに馬体を併せられると、力んでしまいました。それに、このペースであれば、気分良く大逃げとなってもおかしくはないのですが、積極的にレイパパレらがついてきたためプレッシャーを受けることに。とはいえ、しんがり負けですから、本命は狙い過ぎでした。申し訳ありません。

 

 

   text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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