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第67回 京阪杯 回顧

 

 

2022年11月27日(日) 5回阪神8日

 前半33秒3─後半33秒9。走破時計は1分7秒2と速かったです。2020年と2021年、そして今年のこの時期の阪神開催で行われた1200m戦で唯一の1分7秒台。その割に最後も極端にラップは落ちておらず、数字上のレベルは高かったと言えるでしょう。ポイントはスピードの持続力とBコース替わりの馬場でした。

 レースは好スタートを切ったキルロードが先頭に立ちますが、外から出遅れたビアンフェが押して押して前へ。ここで2ハロン目が10秒4、続く3ハロン目が10秒7と速いペースで流れました。ビアンフェは直線で一杯。代わって先頭に立ったキルロードが抜け出しますが、ゴール寸前で外から脚を伸ばしたトウシンマカオが差し切って重賞初制覇。外枠でしたが、スタート良く飛び出して、道中は中団の前。スムーズな競馬できたとはいえ、前がなかなか止まらない中で鮮やかな差し切り勝ち。この着差は完勝と言っていいでしょう。「デキの良さを感じていたので、自信を持って臨みました。レースではBコースに替わったことで前の止まりづらい馬場状態というのを頭に入れて、位置取り的には後続を気にしつつ、追い出しを待つ形で、ちょうどいいタイミングで追い出せたと思います」と鮫島克駿騎手。短距離の差しで完全に覚醒しましたね。今後が楽しみです。

 キルロードは前述通り一旦ハナに立ちますが、外からビアンフェが来ると無理せず2番手から。速いペースでしたが、まったく無理をするところがなく、直線入口では楽な手応えで再び先頭。完全に勝ちパターンでした。「ラストも頑張っているけど、今日は勝った馬が強かったね」と福永祐一騎手。③着も先行した一角にあたるスマートクラージュが入りました。スタートで接触して少しエキサイトした感じでしたが、抑え切れないぐらいの手応えで好位のイン。②着馬を見る形で直線へ。前との差はなかなか詰まらず、最後は外から勝ち馬にも差されてしまいましたが、今回は脚部不安明けで9カ月ぶり。1200mに変わってから①①⑬③着で、オーシャンSは初めての重賞挑戦で不利があっての結果。スプリント戦ではまだ底を見せていません。

 マリアズハートは中団を追走。うまくラチ沿いに入ってロスのない立ち回りができました。直線半ばで前を行くライトオンキューの外を狙ってスペースがなくなり、内に切り返すシーンはありましたが、全体にうまくいったと言えるでしょう。展開次第では重賞でもやれます。ライトオンキューはこちらも中団のインで、ロスのない無理のない競馬。なかなか使い込めないですし、58㎏を背負ってのレースで力は出せたのではないでしょうか。頑張っています。2番人気のサンライズオネストは出遅れて最後方から。今日の競馬で後方から外を回しては出番がなくても仕方がありませんでした。力を出し切っていないので次走以降の巻き返しに期待です。

text by 小林  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。