第57回 共同通信杯 回顧

　2月12日（日曜）に東京競馬場で行われた第57回ＧⅢ共同通信杯（芝1800ｍ・3歳・別定・晴れ・良馬場）は3番人気ファントムシーフが優勝。管理する栗東・西村真幸調教師は共同通信杯初勝利。騎乗したC.ルメール騎手は2勝目となった。ファントムシーフは北海道浦河町谷川牧場の生産馬。馬主は（有）ターフスポート。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】　出遅れたタッチウッドが二の脚で挽回し、2コーナー過ぎにハナへ。レース序盤で出入りはあったものの、全体としては淡々と流れて1000ｍ通過は60秒5のスローペース。結果的に行った行ったの決着となりました。

 

 

【レース分析】　ファントムシーフ（3番人気）はいくらか体は立派で春を見据えた仕上げに映りましたが、動きには柔らかみがあって気配良好。それにしても初めての気丈ながらC.ルメール騎手のポジション取りが絶妙でしたね。ハナに行ってもいいくらいの感じで、タッチウッドが途中で先頭を奪ってからは2番手をキープ。直線は追い比べを制して重賞タイトルを獲得。オープン特別勝ちはありましたが、しっかりと賞金を加算して価値のある1勝となりました。

 

 

　「今日が初めて乗る馬だったのですが、前走があまりスタートが良くなかったようなので、そこに一番気をつけて乗りました。発馬を決めていいポジションが取れましたし、息を入れながら運ぶことができました。また、直線では長くいい脚を使ってくれましたね。更に上のレベルでも通用する力があります」とレース後にC.ルメール騎手はコメント。敗戦は出遅れて、展開にも泣いたホープフルS④着だけ。今回はペースに恵まれた面はありますが、長く脚を使っての完勝。クラシック戦線の主役候補に名乗りを挙げました。

 

 

　タッチウッド（5番人気）は大型馬のキャリア2戦目。まだまだ体に緩さはありますが、パドックで周回する姿は迫力満点。スタートで出遅れてテンに脚を使いましたが、ハナに立つと4ハロン目からはペースを落とせた。直線は渋太い二枚腰を発揮してダノンザタイガー以下を退けた点は立派ですね。幼い面が解消し、レースを覚えてくるようならＧⅠでも勝ち負けしていいポテンシャルを秘めています。ダノンザタイガー（1番人気）は少しずつ緩さがなくなり、動きに柔軟性が増してきましたね。堂々とした周回しており、大物感がありました。脚をためて中団を進み、直線でスムーズに前が開けば突き抜けられそうでしたが・・・。今日に関しては内枠がアダになった印象。脚力を示したものの、賞金加算をできなかったのは痛いところですね。

 

 

　タスティエーラ（2番人気）は均整の取れた造りで、身のこなしは滑らか。タッチウッドが上昇したところで、1列ポジションが下がってしまったことが最後に響きましたね。それでも、中団から脚を伸ばして②着とはクビ＋ハナ差。こちらも性能は高いですね。本命を打ったレイべリング（4番人気）はテンションが上がっておらず、弾むようなフットワーク。仕上がりは良く映りました。後方に控えて折り合いに専念したものの、展開が向かず。追い上げましたが、直線半ばで脚が鈍ってしまい、最後は鞍上も無理をしていませんでした。能力が一枚も二枚も違えば、外を回ってでも勝てるのでしょうが。今回の相手はハイレベルでしたね。次走は折り合ってこの馬らしい末脚が見たいものです。

 

　　　

text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。