2月18日(土曜)に東京競馬場で行われた第73回GⅢダイヤモンドS(芝3400m・4歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)は2番人気のミクソロジーが優勝。管理する栗東・辻野泰之調教師、騎乗した西村淳也騎手ともダイヤモンドSは初勝利となりました。ミクソロジーは北海道日高町タバタファームの生産馬。馬主は江馬由将さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 外枠からウインキートスが先手を主張するとカウディーリョなどは無理に追いかけず、序盤はゆったりとした流れ。ただ、2000m通過あたりで掛かったスタッドリーが前へと進出してきてからは緩みのないラップが続き、馬群も一気に縦長に。最後の1ハロンは12秒6を要したようにマラソンレースらしく、スタミナ、地力が問われる消耗戦となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったミクソロジー(単勝2番人気)は好スタートを決めるとスッとポジションを下げて、道中は好位の後ろの内につけて折り合いもスムーズ。2周目の3コーナー過ぎから軽く気合をつけて馬群の外めに進路を取り、直線で追い出されてからも最後まで脚いろは乱れず、内ラチ沿いを伸びた②着馬との接戦を制しました

 

 

 「ゲート入りで迷惑をかけたんですが、中では落ち着いていて、いいスタートを切れました。向正面ではクリストフさん(ルメール騎手)の馬が見えたので、それについていきました。直線では少しヨレたんですが、これならと思いましたよ。未勝利の頃から乗せてもらっている馬ですが、成長してくれていますし、順調なら大きいレースでも頑張ってくれると思いますから、このまま何事もなくいってほしいです。栗東は雪で調整が大変でしたが、厩舎の方が手を尽くしてくれました。僕は乗っていただけで、今回の勝因はそこに尽きると思います。関係者に感謝したいです」とレース後に西村淳也騎手はコメント。時計の速い馬場状態やレースの流れを考慮するとレコードタイム自体は鵜呑みにできませんが、道中で無駄な動きをしない操縦性の高さと、それを引き出している鞍上の冷静な騎乗。更には②着馬とコース取りの差がありながら、最後まで伸びて勝利を手にした持久力のある末脚は高く評価すべきでしょう。決して大きくない馬体も今期は維持できていますし、1勝クラスから4連勝での重賞制覇も普通の馬ではできない芸当ですからね。

 

▲ミクソロジーの4代血統表 ②着ヒュミドールもオルフェーヴルの産駒。

 

 ②着ヒュミドール(13番人気)は、まったくロスのないコース取り、少し荒れて見える内ラチ沿いを躊躇なく突いた田辺騎手の好騎乗が光りましたが、4歳暮れにGⅡステイヤーズS⑤着、翌年の当レースでも⑤着に健闘していましたから、力通りに駆ければ低人気での好走も驚けない結果。勿論、スタミナも豊富ですが、極端な時計勝負でなければ中距離にも対応できる馬ですから、今後もハンデGⅢあたりなら、穴メーカーになるケースは十分ありそうです。③着シルブロン(1番人気)は勝ち馬と同様、近況の良さが目立っていましたが、昇級緒戦でしたから、こちらの方が人気が高かったことは少し驚きでした。最後の伸びを欠いたところを見ると、現状は3400mが少し長い印象を受けましたが、これまでは2500mまでのレースしか走っていませんから、経験の差が出た可能性も。そのあたりの本質的な適性の判断は、これからの走りを見て判断したいと考えています。

 

 

 ④着ベスビアナイト(11番人気)は大外枠だったせいか、あまり人気がありませんでしたが、久しぶりに着けたブリンカーの効果もあって、ラストまで伸びていたレースぶりは目につきました。今後も長距離戦を使われれば、メンバー次第で大きく狙えそうです。一方、当日版の紙面で◎に指名したスタッドリー(3番人気)は⑩着。途中から折り合いを欠き、一旦は先頭に立ちましたが、最後は息切れして、失速してしまいました。世界的な名ジョッキーでも長距離で初騎乗の馬だと、完璧にコントロールするのは難しかったようですし、力を出し切った内容ではないので、次走以降の巻き返しに期待したいところです。

 

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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