10月1日(日曜)に中山競馬場で行われた第57回GⅠスプリンターズS(芝1200m・3歳以上・定量・曇り・良馬場)はママコチャ(単勝3番人気)が優勝。管理する栗東・池江泰寿調教師は昨年のジャンダルムに続いて当レースは2勝目。騎乗した川田将雅騎手も2018年にファインニードルで勝っており2勝目となった。ママコチャは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人ホールディングス㈱。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 抜群のダッシュ力を生かしてジャスパークローネがハナを主張。内のテイエムスパーダもしばらく抵抗しましたが、予想したよりも早く隊列が決まり、前半3ハロン通過は33秒3。これはGⅠとすれば、そこまで速くはないペース。結果的に先行・好位勢に展開が向きました。
【レース分析】 ママコチャ(3番人気)は牝馬でも馬格があり、いかにもスピード馬という体つき。脚捌きは力強く、気力も充実していました。いいポジションが取れたことが好走の要因ですが、馬の行く気に逆らわず、積極的に動いた川田騎手がさすがでしたね。早めに先頭に立ち、急坂を駆け上がってからも踏ん張ったママコチャの地力と川田騎手の手腕が、勝利を呼び込びました。
「ラストは接戦となり、何とかしたいという気持ちでしたが、勝ち切ってくれました。道中はある程度いい形で進むことができましたね。また、稽古で跨った際には、背中の感触から十分ここでチャンスがあると感じていたんです。これからは期待をされる立場になるんでしょうけど、スプリントを覚えていけば、もっといい形で走れるようになっていくと思います」とレース後に川田騎手はコメント。この勝利の数時間後、ママコチャの姉ソダシが現役を引退することが発表に。稀代のアイドルホースとして愛された姉のような活躍を期待したいものです。
▲ママコチャの4代血統表
マッドクール(6番人気)は胸前からトモにかけて厚みがあり、歩様は力強く、迫力満点。レースは馬群の切れ目から内に潜り込み、先行集団のインを取った坂井瑠星騎手の好騎乗も光りました。前走は熱中症だったようなので、これくらいは走れる能力があったということですね。ナムラクレア(1番人気)は馬体にボリューム感があり、完成期を迎えた印象。動きもハツラツとして申し分のない状態。最内枠からマッドクールの位置が取りたかったのかもしれませんが、若干スタートが遅く、中団から外へ出さざる得ませんでした。トラックバイアスもあり、もうひと押しが利かなかった印象です。
ジャスパークローネ(4番人気)は中5週で夏場の疲れが取れ、活気に溢れる動き。いい状態でしたね。好スタート、好ダッシュでハナを奪い、思い通りのレースはできましたが、勝ち時計が1.08.1。いくらか馬場がタフになったことが、最後の粘りに影響したように感じました。◎に推したメイケイエール(5番人気)はホライゾネットを着用して落ち着きがありました。完調時に比べると馬体の張りは若干物足りませんでしたが、気持ちで走るタイプ。力は出せる状態に映りました。スタートは伸び上がるような感じでしたが、二の脚で中団へ。もっと速い流れで馬群がバラければ、切れる脚が使えたかもしれませんが・・・。外を回らされたし、内からナムラクレアのプレッシャーもありましたからね。予想としては見立てよりペースが落ち着いた点が誤算でした。
text by 京増 真臣
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