競馬 研究ニュース

第13回 みやこS 回顧

 

 

2023年11月5日(日) 3回京都2日

 

 「今回は自分の競馬に徹して」という言葉通りにペプチドナイルがハナに立ち、3ハロン目で12秒9とラップを落とせたことで平均ペースに。2番手アイオライトとの差は常に2馬身前後。メイクアリープは好位。その直後にウィリアムバローズ。1番人気のセラフィックコールはスタート直後に躓いて後方から。ラップを少しずつ上げたペプチドナイルはリードを保ったまま直線へ。そこに襲いかかったのがメイクアリープ。1ハロン標あたりで先頭に立って押し切ろうとしたが、1頭だけ違う脚いろで飛んできたのがセラフィックコール。あっという間に3馬身差をつけてゴール。②着はメイクアリープ。これについてきたウィリアムバローズがペプチドナイルを交わして③着となりました。

 勝ったセラフィックコールはデビューから無傷の5連勝で重賞初制覇。スタートの躓きと向正面でペースが緩まなかったことで追走は楽ではありませんでしたが、直線で右手前に替えてからの伸びにこれまでにはない鋭さも感じられ、確実に成長も窺えました。常にスタートで後手を踏み、外から追い込む脚質。中京の1800mで更に相手強化となると簡単ではなさそうですが、それでも期待したくなる勝ちっぷり。その先にある大井の2000mでも見てみたいですね。

 メイクアリープは太秦Sが案外でしたが、見事に巻き返しました。レース後に幸騎手が「今日はレース前の落ち着きがありました」とコメント。前走とは精神面が違っていたことが好走の要因でした。レース運びも完璧で、今日は相手が悪かっただけでしょう。

 ウィリアムバローズは戦前からハナにはこだわらないとのことでしたが、1コーナーではまさかの7番手。ただ、鞍上に慌てた様子もなく、折り合いがついてスムーズな追走。メイクアリープを追いかける形で脚を伸ばせたのは、今後に向けて大きな収穫と言えるでしょう。

 ペプチドナイルは④着ではありますが、控えて大敗となったエルムSからの見事な巻き返し。ただ、1800mで勝ち切るとなると展開の助けが少し必要かもしれません。

 上位人気で意外だったのはタイセイドレフォンワールドタキオンアスクドゥラメンテの大敗。3頭ともメイクアリープの前で同じ位置にいましたが、展開というよりは、それぞれ違った要因での失速のように思えます。中でも堅実なタイセイドレフォンは時計的にもいつもほど走れておらず、現状では掴み切れません。ワールドタキオンは久々で本調子ではなかったか。アスクドゥラメンテは良馬場での経験が少なく、パワー勝負で力尽きた印象です。

 

text by 石井大

 

 

 

 

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