12月28日(木曜)に中山競馬場で行われた第40回GⅠホープフルS(芝2000m・2歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)はレガレイラ(単勝1番人気)が優勝。管理する美浦・木村哲也調教師はホープフルSは初勝利。騎乗したC.ルメール騎手はGⅡ時代に勝っており、GⅠ昇格後では初勝利となった。レガレイラは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 アンモシエラを制してヴェロキラプトルが先制。ある程度、隊列が決まって2コーナーに差しかかったあたりでショウナンラプンタが掛かり気味にポジションUP。これにより落ち着きかけたペースが上がり、スタートから5~7ハロン地点は12.1~2と速めのラップ。それでいて、ラスト2ハロンは12.0→11.5の加速ラップ。操作性も含め、総合力が問われたレースでした。
【レース分析】 レガレイラ(1番人気)はスタートをゆっくり出ると、走りのリズムを整えつつ後方を進みました。3コーナー付近から追い上げを開始。馬群がギュッと凝縮しましたが、C.ルメール騎手は安易に外へは持ち出さず、コースロスを抑えつつコーナーを回りました。直線に向く際、前を走る馬が外に膨れた際も冷静沈着。しっかり状況判断をし、直線に入ってから外に持ち出すと溜まりに溜まっていたエネルギーを放出するように素晴らしい伸び。ゴール前で②着馬が外へ切れ込んできましたが、意に介さずに駆け抜けました。
「ゲート内でチャカチャカしていて、スタートがあまり良くなかったのですが、馬が冷静に走ってくれたので、後方から楽に運ぶことができました。3~4コーナーでは手応えが良かったです。2歳馬のレースということで全馬がフラフラしていたので、大外に出す形になりましたが、ラストの瞬発力は凄かったですね。今回は2000mで乗りやすかったので、更に距離が延びて良さそうな感じがします。来年が楽しみです」とレース後にC.ルメール騎手はコメント。新馬戦では気の若さを見せていましたが、実戦を重ねてどっしりとしてきた印象。抽選を潜り抜けての出走でも牡馬の重賞ウィナーらを問題にしませんでした。当然、クラシックの主役候補に躍り出たわけですが、レース後は皐月賞も選択肢のひとつになるとオーナーサイドの談話も発表されました。来年、どのGⅠをターゲットにするのか。アイビーSで先着を許したダノンエアズロックと皐月賞、日本ダービーで再戦というシーンもあるかもしれません。
シンエンペラー(2番人気)は逃げ馬の後ろ。インの3、4番手に収まり、折り合って運べました。終始、手応えは良かったのですが、4コーナーでは少し膨れるような格好に。それでも、逃げ馬をパスし、先頭を奪いました。直線に向いて鞍上が打った右ムチに反応したのか、苦しくなったのか外へ切れ込んでしまいました。まだ若さを残しますが、高性能なのは明らか。課題の見えた②着でしたが、修正されればGⅠに手が届く器です。③着はサンライズジパング(13番人気)。芝起用は新馬戦以来でしたが、積極的な立ち回り。直線に向いてからは内にモタれ、更に外へ切れ込んだ②着馬に進路を塞がれるような格好になりましたが、最後まで止まりませんでした。騎乗した菅原明良騎手は「スタミナを生かす競馬を心掛けた」とレース後にコメントしていますが、その通りに運んで持ち味を生かし切りました。
④着アドミラルシップ(11番人気)はロスを抑えた立ち回り。直線に向く際も内にこだわり、前にスペースが開くと力強く伸びてきました。ミスタージーティー(7番人気)は4コーナーを回り、各馬が内から外へ広がった中、上手に捌ければ良かったのですが、何度も前が詰まり、まともに追えたのは残り100mほど。もったいないレースでしたが、⑤着まで追い上げて脚力をアピール。まだキャリア2戦。伸びしろは大きく、来年が楽しみな1頭です。個人的に期待したショウナンラプンタ(3番人気)は⑦着。課題のゲートを五分に出た瞬間は心の中でガッツポーズをしましたが、流れに乗せるとスイッチが入り、外へ外へ張って走ってしまいました。まだ幼さを残す面は理解していたつもりですが。朝日杯FSのシュトウラウスに続き、今回も本命に推した馬がリズム良く運ぶことができずに凡退。改めて2歳戦の難しさが身に染みて分かった12月となりました。
text by 藤原 有貴
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。