2024年4月28日(日) 3回京都4日

 ペースは序盤59秒7─中盤74秒5─終盤60秒0。徹底先行型が不在で、大方の予想通りマテンロウレオ=横山典弘騎手がハナへ。36秒6とテンの入りはそれほど速くはないが、坂の下りにあたる4ハロン目からの11秒─11秒6─11秒5は速い。ただ、その後はしっかりとペースを緩めてラスト4ハロンのロングスパート戦へ。マテンロウレオは昨年⑤着だったが、純粋なステイヤーではなく、本質的には距離が長い感じ。道中はためて、ひと脚を使う競馬の方が騙しがきく。

 勝ったテーオーロイヤルは好位の外めを追走。しかも、前にドゥレッツァがいる絶好の形。道中はじっとして、2周目坂の下りでは抜群の手応えで先頭に並びかける。直線で前に出ると、そのまま後続を振り切って最後は2馬身差の完勝。長い雌伏の時を経て、人馬ともに嬉しいGⅠ初制覇。「ここまで長いブランクがあった馬で、そこを経て結果を出してくれましたし、成長力が計り知れない馬ですね」と菱田騎手。ディープボンドはこれが15回目のGⅠ挑戦。テンに仕掛けて好位のインを確保。枠が良く、周りに速い馬がいなかったのも良かった。ためても切れないので今回も自分から前を捉えにいく競馬。直線入り口ではマテンロウレオをパスし、外にテーオーロイヤルを引き連れて一旦は先頭。勝ち馬には完敗だったが、身上の渋太さを発揮して③着確保。「勝った馬は力が抜けていましたが、この馬もまだまだ十分やれます」と菅原騎手。

 ②④⑤着には後方待機組が入る。ブローザホーンは後方外めを追走。4角で大外に出して直線へ。課題だった折り合いをクリアして、終いはいい脚を使っている。勝ち馬と同様、ステイヤーとしての資質は一級品。スマートファントムはこれが神戸新聞杯以来2度目の重賞挑戦。スタートは今ひとつだったが、その分すぐにラチ沿いを確保できた。後方で脚をためて直線も内を捌いて脚を伸ばす。ロスのない競馬ができたとはいえ、岩田望来騎手の「GⅠで4着ですから、よく頑張ってくれたと思います」のコメント通り立派。ワープスピードも長丁場では堅実。こちらもロスのない立ち回りができたが、他の上位には切れ負け。「下りから動き出したのですが、理想はもう少し前でした。もっと持ち味を生かしたかったです」と三浦騎手が話していた通り、決め手比べの形になってしまうと少し厳しい。それでも力は示している。

 タスティエーラは中団追走。1周目ホームストレートでラチ沿いへ。4角でドゥレッツァの外へ出して追撃態勢に入ったが、直線はじりじりとした伸び。徐々に復調しているが、まだ完全復活には至らず。サリエラは序盤は枠なりに進んで、1周目ホームストレートで勝ち馬の後ろにつける。いい競馬はできたと思うが、4角で勝ち馬にスッと離され、その後に挽回するところはなかった。「2回目の3角からついていけなかった。1周半の競馬に慣れていないのかなあ」と武豊騎手。ドゥレッツァは最後のコーナーで内にモタれ、勝負どころで既に手応えが怪しかった。「リズム良く3角までいけたのですが、内にササり出して反応できませんでした。馬群にのまれてしまい、直線で苦しくなってしまいました」と戸崎騎手。道中をもう少しリラックスして走れれば。

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