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第10回 サウジアラビアロイヤルC 回顧

 

 

 10月5日(土曜)に東京競馬場で行われた第10回GⅢサウジアラビアロイヤルC(芝1600m・2歳・馬齢重量・小雨・稍重馬場)は2番人気に支持されたアルテヴェローチェが優勝。管理する栗東・須貝尚介調教師は当レース3勝目。騎乗した佐々木大輔騎手は初勝利となった。アルテヴェローチェは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は大野照旺さん。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 スタートは出遅れたタイセイカレントを除けば横一線で、一旦はマイネルチケットが前に出る場面もありましたが、すぐに先手候補と思われたシンフォーエバーが主導権を奪いました。ただ、序盤に少し競る形になったせいか、少頭数の2歳戦にしてはペースが落ち着かず、4ハロン通過が45秒7のハイラップ。後半は47秒3でしたから稍重の馬場も考慮すると、かなりタフな流れになり、直線では差し馬が台頭してくる結果となりました

 

 

 

 

【レース分析】 勝ったアルテヴェローチェ(2番人気)はデビュー勝ちから10キロ増の体重でも重め感はなく、短期間に成長しているような気配。レースでも出脚は互角以上でしたが、集団の後ろにつけて折り合いに専念すると、直線では馬群の大外に進路を選択。ラスト2ハロンあたりから鞍上に追われると徐々に加速し、最後の1ハロンは一気に伸びて前を吞み込みました

 

 

 

 

 「2度ほど調教に乗せていただいて、厚みがあっていい馬だと感じていましたし、その感触のままレースに臨むことができました。スタートが凄く良かったので、手綱を引っ張ってしまうのも勿体ないかと思いましたが、そのまま先行集団で力ませてしまうよりはと考えて、一歩引いて折り合いに専念する形をとりました。あとはこの馬の力を信じて乗りました。1600mがベストだと思いますし、まだ、僕はGⅠを勝ったことがありませんが、大きなレースでもやれる馬だと思います」とレース後に佐々木大輔騎手はコメント。デビュー戦で騎乗した武豊騎手も大物感があると語っていた馬ですが、今回もそれを裏づけるような勝ちっぷり。洋芝の札幌で勝ち上がってきたので、稍重の馬場も苦にしなかったようですが、ペースや開幕週の芝のコンディションを加味しても、レース歴代2位タイの1分33秒0は水準以上の数字。更に上のステージでの走りが楽しみになりました。

 

アルテヴェローチェの4代血統表

 

 

 ②着タイセイカレント(4番人気)は初戦がスローペースでの逃げ切りでも、上がり3ハロンがメンバー中1位でしたから、控える競馬でも問題がないことは戦前から予測できました。それでも、出遅れるロスを挽回しての連対確保は立派ですし、馬群を割って伸びてきた点も大きな収穫。この内容なら頭数が増えても不安はなさそうです。自分が当日版で◎にしていたマイネルチケット(5番人気)は③着。こちらは未勝利を勝った前走よりも前めでの競馬になりましたが、最後まで渋太く伸びて馬券圏内に。やはり重賞でも能力的には遜色なかったですが、あくまでも結果論でも、今日の流れなら前回のように末脚を生かせていたら、という感想を持ったのも正直なところです

 

 

 

 

 ④着シンフォーエバー(6番人気)はペースを考えれば上々の粘り。全体にパワー型の印象を受けるので、稍重の馬場+速い流れで消耗戦になったことも健闘した要因でしょう。将来的にはダートでも、と思いますが、芝でも更に時計を要す舞台設定になれば、もっと良さが出そうな気がしています。一方で断然人気に支持されていたアルレッキーノは⑤着。ルメール騎手は「追って反応が良くなくて加速しなかった。敗因は馬場なのか、状態なのか、よく分からない」とコメントを残しましたが、もうひとつ考えられるのはスロー逃げだった前2走とは違う形のレースが初めてだったこと。キャリアの浅さが出たケースです。いずれにしても能力を出し切っての結果とは思えませんし、今回の経験が次走以降に生きれば、重賞は勿論、GⅠでも巻き返しは十分に期待できるはずです。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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