10月30日(土曜)に東京競馬場で行われた第10回GⅢアルテミスS(芝1600m・2歳・牝馬・晴れ・良馬場)は単勝7番人気のサークルオブライフが豪快に差し切って優勝。騎乗したM.デムーロ騎手、管理する美浦・国枝栄調教師ともアルテミスSは初勝利。またM.デムーロ騎手はこの勝利が節目のJRA重賞100勝目となった。サークルオブライフは北海道新ひだか町千代田牧場の生産馬。馬主は飯田正剛さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 好スタートを決めた3頭の中からボンクラージュが主導権を握り、前半の4ハロン通過が46秒3。後半は46秒4ですからラップ的には平均ペース。ただ、先頭が2番手以降を離していたので、後続グループはゆったりとした流れ。ラスト1ハロンも11秒7も落ち込まなかったように、全体的には前めのポジションで運んだ組、コースの内を通った馬に有利な展開となりました。

 

▲パドックを歩くサークルオブライフ(撮影:yu~kun)

 

好内容で重賞制し、いざGⅠへ

【レース分析】 勝ったサークルオブライフ(7番人気)は前述のように先行、内有利な展開を1頭だけ33秒台の上がりを計時して突き抜けたのですから、あまり下馬評が高くない中での優勝でも内容的には優秀。M.デムーロ騎手もレース後に「新馬戦はボーっとしていましたが、2戦目はイライラしていて出遅れ。今日も少しイラついていましたが、それでもゲートをうまく出て、いいところでレースができました。直線はスムーズに走らせたかったので外に出して、最初の反応は少し鈍かったけど、最後はいい脚だったので、残り200mあたりで勝てると思いました。本当に期待している馬で、どんどん強くなっているから楽しみです」とコメントしています。

 

M.デムーロ騎手はこれが節目のJRA重賞100勝目となった。

 

 未勝利勝ちが平凡な時計でも、出遅れから馬群の外を回って追い上げ、ラスト2ハロンも12秒0→11秒9と加速して完勝だったことを記憶していながら、いきなり重賞でどうかと考えてしまい、当日版のシルシを回さなかったことは痛恨の極み。また国枝厩舎から将来性豊かな牝馬が登場したと判断して次走がGⅠの阪神JFでも、有力候補の1頭にマークしようと考えています

 

サークルオブライフの4代血統表

 

伸びしろ十分ベルクレスタ

 ②着が当日版で◎にしていたベルクレスタ(2番人気)で、レースはこちらが想定していたより少し前の位置取りでも直線を向いた時の手応えは十分。展開も向きながら勝ち馬の決め手に屈する形でしたが、ゲート入りに少し手こずり、序盤で行きたがったことも影響している印象。若さを残している分、伸びしろを残していますし、ためが利けばもっと弾けるイメージもあるので、かなりの好素材である評価は変わりません。③着シゲルイワイザケ(8番人気)は前走で12キロ増だった馬体が絞れて、内枠と機動力、立ち回りの巧さを生かしての健闘。派手さはありませんが、相手なりに走れそうなタイプで、今後も評価を下げると痛い目に遭いそうな気がしています。

 

 

 ④着シンシアウィッシュ(4番人気)、そして1番人気だった⑤着フォラブリューテは思ったより切れる脚を使えませんでしたが、ともにキャリア1戦で若さの残る体つき。特に後者は母も5歳秋の引退レースでGⅠを制した遅咲きでしたから、長い目で見て成長を待った方がいいでしょう。また、⑥着のシンティレーション(5番人気)は前走が洋芝の札幌で好タイム勝ちでしたから、東京の良馬場では勝手が違った感じ。しかも控える競馬を選択したので、今後につながる一戦になった可能性もあります。

 

 

 

                          

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・①、②着馬の前走はともに未勝利戦。①着馬は後続に0秒4差、②着馬は0秒6差をつけて勝利していた。ということで来年以降、未勝利組は前走で0秒4以上、差をつけていれば連対可能と条件を改めたい。

 

 

 

《アルテミスS 2016-20》

 

 

 

 

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