12月14日(土曜)に中山競馬場で行われた第10回GⅢターコイズS(芝1600m・3歳以上・牝馬・ハンデ・晴れ・良馬場)は2番人気に支持されたアルジーヌが優勝。管理する栗東・中内田充正調教師、騎乗した西村淳也騎手ともにターコイズSは初勝利となった。アルジーヌは北海道新ひだか町ケイアイファームの生産馬。馬主は(株)ロードホースクラブ

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 短距離を使われていたマメコが好スタートを決めると迷わずハナに立ち、イフェイオン、ビヨンドザヴァレーが続いて2~3ハロン目は11秒2と速めのラップ。その後は流れが落ち着いたので全体のペースは平均に分類されますが、マイルのGⅢらしい緩みのない流れで、スピードや機動力が必要な、距離への適性を問われる展開になりました。

 

 

 

 

【レース分析】 勝ったアルジーヌ(2番人気)は中団追走でも行きっぷりが良く、道中はしっかりと我慢させる感じで3コーナーあたりから徐々に進出を開始。直線入り口で③着馬の外へ持ち出した時の手応えも抜群で、最高のタイミングで追い出されると一気に伸びて、熾烈な②着争いを尻目に、危なげのない勝ち方を見せました。

 

 

 

 

 「関係者の方々がいい状態で中山まで連れてきてくれていましたから、自信を持ってレースに臨むことができました。終始、手応えが良かったですし、4角ではいつでも抜け出せるような感じでした。ポテンシャルが高く、機嫌さえ良ければ能力を発揮してくれますし、まだ奥のある馬ですから、今後の活躍も楽しみですとレース後に西村淳也騎手はコメント。当日版で自分がこの馬を◎にした最大の理由は鞍上との相性の良さ。積極的な立ち回りを見せるジョッキーですし、このコンビならマイルにも不安はないと、見立てた通りの走りでした。時計的には目立つ数字ではなく、今後は相手強化への対応がポイントになりそうですが、母や近親のレディアルバローザも晩生のイメージがありましたから、この馬自身も伸びしろが大いに期待できそうです

 

 

アルジーヌの4代血統表

 

 

 ②着ビヨンドザヴァレー(6番人気)は外めの枠でも積極的に位置を取り、先行力、スピードを生かして連対を確保。決して展開に恵まれての好走ではありませんし、中2週での関東遠征をクリアした点も目下の充実ぶりを示しています。マイルへの適性の高さも改めて感じられました。③着のドゥアイズ(3番人気)は外枠だったので序盤の若干、行きたがり、4コーナーでの挙動もスムーズではありませんでしたが、最後の詰めが甘くなったのは、勝ち馬と並ぶトップハンデだった分もあるでしょう。とにかくマイルの距離では堅実ですし、単勝は買いにくい反面、常に馬券の相手には入れておくべきタイプと言えます。

 

 

 

 

 以下では、まず、注目したのが⑤着のアドマイヤベル(8番人気)。初めてのマイル戦でもゴール前の伸び脚は目につきましたし、距離への適性自体は高いと思われます。脚質的に広い東京コースのマイル戦に使ってきたら、狙い目になりそうですね。⑦着フィールシンパシー(5番人気)は好位で揉まれる形でも落ち着いて走れていましたが、直線では少し窮屈な位置に。追い出しを待たされるシーンがあって②着と0秒1差、③着とは同タイムですから、この馬は中山のマイルが最適であることを確認できました。1番人気で⑧着に終ったミアネーロはスタートが今ひとつで、直後に他馬に寄られて躓く場面があり、終始、流れに乗れないレースに。今回の結果だけで距離に関しての適性は決めつけられませんが、一瞬の鋭さを生かすには1周競馬の1800~2000mの方が、都合がいいのでは、という印象を持ったことも確かです

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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