4月5日(土曜)に中山競馬場で行われた第57回GⅢダービー卿チャレンジトロフィー(芝1600m・4歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)はトロヴァトーレが優勝。管理する美浦・鹿戸雄一調教師、騎乗したJ.モレイラ騎手ともに当レースは初勝利。トロヴァトーレは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

エコロブルームは競走除外に

 

 

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【展開・ペース】 最内枠だった点を生かし、アサカラキングメイショウチタンを制してハナを切りました。前後半の4ハロンが46秒4~後半46秒0ですから一見すると平均ペースですが、レース当時、向正面は強めの向かい風。逃げ・2番手がともに2桁着順に終わったことを考えれば差しタイプに有利な展開だったと見ています。

 

 

 

【レース分析】 トロヴァトーレ(1番人気)はいくらか体は立派に映りましたが、覇気は旺盛。脚運びもスムーズでした。出脚がいまひとつでしたから無理をせずに中団の内を追走。馬群が固まり、4コーナーでは進路が開かないかと危惧されましたが、ラチ沿いのスペースを抜け出して快勝。逃げるアサカラキングの鞍上が左ステッキを入れても内に寄ってくる素振りがないと見るやJ.モレイラ騎手は瞬時にゴーサインを出して突き抜けました。先週の高松宮記念でも風の話をしていたJ.モレイラ騎手。理想より1列後ろのポジションではありましたが、風除けを作るのはレースプランにあったのではないでしょうか。鞍上の好騎乗が光った一番でした。

 

 

「スタートが理想よりも少し遅くなって内枠からいいポジションを取るためにサポートしてあげました。その分、ギアが入って道中は強い手応えで回ってきました。残り600mでも手応えが良くて、どこにスペースができるか心配したけど、直線に入って内にスペースがあって反応があったので狭いところに入れました。外は見えなかったので相手は分からなかったけど、最後の100mの伸びが良くゴールまでしっかり走ってくれました。道中は内で我慢していたし、展開も向かなかったなかでタフな内容で勝てたので能力を感じました。これから成長もあるので相手が強くなっても楽しみですとレース後にJ.モレイラ騎手はコメント。先週の高松宮記念に続き、2週続けての重賞制覇。絶好調の名手からも目が離せません。

 

 

トロヴァトーレの4代血統表

 

 

コントラポスト(3番人気)はハツラツとした雰囲気でパドックを周回。馬体の張りも素晴らしかったですね。馬群で脚をためて直線はスムーズに捌くことができました。仕掛けのタイミングもバッチリでしたが、まさか勝ち馬が内の狭いスペースをスンナリと抜けてくるとは。それでも、力をつけていることをアピールしました。キープカルム(6番人気)は馬体の張りが良く、活気もあって気配は悪くありませんでした。後方のイン。直線で追い出しを待たされましたが、先に抜け出した勝ち馬の後ろから最内を突き、混戦の③着争いを制しました。この進路取りの判断はさすがシュタルケ騎手。前走は道悪が敗因。力を発揮できれば重賞でも上位争いできることを証明しました。

 

 

 

マテンロウオリオン(8番人気)は2人引きでもテンションが上がらず、馬体は絞れていました。スッと控えて最後方。4コーナーでインから外へ持ち出し、勢いをつけて直線を向くと、最速の上がりを駆使して④着まで追い上げました。ゾンニッヒ(11番人気)は7歳を迎え、馬体の張りは多少落ちてきましたが、気力の方は衰え知らず。大外枠でしたから外を回らされましたが、直線は渋太く脚を伸ばして掲示板に浮上。展開が噛み合えば、重賞でもまだまだやれそうですタシット(4番人気)は少しうるさい面を見せていましたが、活気があって体調は良さそうに映りました。積極的に3番手を追走。4コーナーで仕掛けて、勝ちにいくレースをしましたが、結果的に正攻法過ぎたでしょうか。内目の枠に入るか、馬の後ろで、脚をためられれば違ったかもしれません。

 

 

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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