6月8日(日曜)に東京競馬場で行われた第75回GⅠ安田記念(芝1600m・3歳以上・定量・曇り・良馬場)は2番人気に支持されたジャンタルマンタルが優勝。管理する栗東・高野友和調教師は当レースは初勝利。騎乗した川田将雅騎手は通算4勝目となった。ジャンタルマンタルは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 短距離路線から参戦したマッドクールと3年前のスプリンターズS②着ウインマーベルがレースを引っ張りました。それでも、4ハロン通過は46秒7。マイルGIとして流れは緩く、スローペースで進行しました。

 

 

【レース分析】 ジャンタルマンタル(2番人気)は休み明けを感じさせない馬体の張り。身のこなしも滑らかでしたし、4歳になって精神面も成長しました。内の2頭を前に行かせて3番手をキープ。外から掛かり気味にロングランが並びかけてきましたが、自分のリズムを崩さずに守り、理想的なレースができましたね。少し緩い馬場だったこともあり、勝ちタイムは平凡でしたが、直線に向くと危なげなく抜け出し、②着を1馬身半離してゴール。完勝でした。

 

 

「久しぶりにこの馬らしい競馬ができてホッとしています。とてもいいスタートを切って、いいリズムで3番手に収まりかけたのですが、外から来る馬がいて、あそこでエキサイトしかけたのでその後はどうなっていくかと思いました。ただ、この馬としてはよく我慢が利きましたし、あの競馬になってよくこんな強い勝ち方ができたと思うくらいでした。4コーナーの雰囲気は凄く動けるという感じではなく、どれくらい動けるかなという雰囲気でしたが、それでも動かしてみるとこれだけの動きができましたので、改めて素晴らしい馬だな、と実感しながらの直線でした。朝日杯を勝った時にとてもポテンシャルの高さを感じましたし、NHKマイルカップを勝った時に、この馬が日本で一番のマイルの馬になると実感しました。こうして改めて証明するような走りをしてくれましたし、日本で一番強いマイル馬なんだと証明してくれたレースだったと思います」とレース後に川田将雅騎手はコメントジャンタルマンタルは昨秋、富士Sに出走予定でしたが、熱発したために回避。その後は香港マイルに出走したものの、調子が上がり切っていなかったのか、この馬らしいパフォーマンスを見せることはできませんでした。そこから時間をかけてじっくりと立て直した陣営の手腕は素晴らしく、2、3歳時に続いて4歳でもGⅠ制覇を成し遂げました。春秋マイルGⅠ制覇を目指すのか、海外遠征に打って出るのか秋以降のレース選択にも注目が集まります。

 

ジャンタルマンタルの4代血統表

 

ガイアフォース(9番人気)はプラス12キロと馬体重が戻っていましたが、いくらか余裕がある造り。テンションの高さも気になりました。スタート後、軽く促して中団を追走。先行勢に有利の展開で、勝ち馬とは位置取りの差が出ましたが、ゴール前は目立つ伸びを見せて②着に浮上。ブリンカーを着用した効果もありましたが、これくらい走って不思議はなく、適度に時計がかかったこともいい方に出ましたね。ソウルラッシュ(1番人気)は太く映るのは体型的なもの。気力は旺盛で力強い脚捌き。仕上がりは良かったですね。外を回ってブレイディヴェーグ併せるように伸びてきましたが、瞬発力比べになると、やや分が悪い印象。もう少しペースが速くなってほしかったですね。

 

 

ブレイディヴェーグ(4番人気)は東京新聞杯(482キロ)が少し立派でしたから、470キロは適正な体重でしょう。気合乗りが早く、脚捌きはシャープ。前を射程圏内に入れたポジションを取れましたが、スローペースで馬群が固まり、大外枠で外を回らされてしまいました。もうひとつ弾け切れなかったのは、マイル適性の差もあったかもしれません。ウインマーベル(11番人気)はパドックの外めを勢い良く周回し、柔らかい身のこなし。マッドクールと枠順の内外が逆であれば逃げの手に出て、もっと粘れたかも知れません。ジャンタルマンタルに交わされたあとも食い下がっており、渋太さが光りました。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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