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第28回 富士S 回顧

 

10月18日(土曜)に東京競馬場で行われた第28回GⅡ富士S(芝1600m・3歳以上・別定・曇り・良馬場)はガイアフォース(3番人気)が優勝。管理する栗東・杉山晴紀調教師、騎乗した横山武史騎手ともに富士Sは初勝利。ガイアフォースはこの勝利でマイルCSの優先出走権を獲得した。ガイアフォースは北海道安平町追分ファームの生産馬。馬主はKRジャパン

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 好スタートを決めた外のジャンタルマンタル、内のレイベリングはハナを切るつもりはなかったようで、間からグリューネグリーンが出てくると、すぐに控えてペースダウン。前半3ハロン通過が35秒1に対して上がりは33秒4ですから、3歳以上のマイルGⅡとしては流れはかなり緩く、先行~好位勢のなかでも瞬発力を備えている馬が力を発揮する展開になりました。

 

 

【レース分析】 勝ったガイアフォース(3番人気)は軽く促して2番手集団につけると、このグループの中でも最も折り合いはスムーズ。直線を向いて先頭に立ってからの手応えは②着馬の方が良く見えましたが、最後まで脚勢は乱れず、並びかけようとしてきた相手に交わされることなく、ゴールまで駆け抜けました。

 

 

「先生と話して、ポジションは特に決めず、スタートしてから馬のリズムを大事にしていこうね、とのことでした。結果的にジャンタルマンタルの前で、マークされる形ではありましたが、スムーズな競馬ができましたし、頑張ってくれました。ジャンタルマンタルも59キロを背負っていて、かなりハードだったと思います。それでもあれだけ追い詰められて、(相手も)強い馬だな思いながら追っていました。それに応えてガイアフォースもよく頑張ってくれました。GⅠでもチャンスのある馬ですし、続けて乗せていただけるのなら、引き続きいい結果を出したいと思っています」横山武史騎手はレース後にコメント。最近は差す競馬が多かったですが、あの快ラップが刻まれた2023年の天皇賞・秋(勝ち馬イクイノックス)で2番手から⑤着に粘り込んだ馬ですから、スピードの持続力を生かす競馬でも能力発揮に支障がないのは必然。そのあたりはテン乗りの鞍上も承知していたでしょうし、②着馬より斤量が軽かったとはいえ、健闘しても勝ち切れないイメージを払拭したのは大きいはず。昨秋はダートのチャンピオンズCを使われた馬ですから、次走については確定的なことは言えませんが、GⅠでも上位候補であることは間違いありませんね。

 

ガイアフォースの4代血統表

 

②着ジャンタルマンタル(1番人気)は序盤に少し行きたがりましたが、直線を向いた時の手応えは春の安田記念を勝った時と同じくらい。違ったのは追い出してからの反応で、そのあたりは初めて背負った59キロの斤量が影響したということでしょうか。それでも、連対確保は安泰でしたし、結果を除けば満点の秋緒戦と言えます。③着ソウルラッシュ(4番人気)も促しながら先行集団を見る位置につけて、立ち回りとしては完璧。最後まで②着馬との差が詰まらなかったのは同じ休み明けでも、こちらは骨折明けだった分でしょう。「もっと良くなると思いますし、個人的には京都の方が合うと感じているので、次が楽しみです」というレース後の鞍上のコメントには、まったく同意見です。

 

 

④着ジュンブロッサム(9番人気)は昨年の覇者で、今回も流れを考えれば、馬群を捌きながら、よく追い込んできました。勝ち馬と同じ6歳馬ですが、こちらも能力面の衰えはありませんね。まだGⅠで結果は出ていませんが、スムーズな競馬がで展開が向けば、ひょっとしたらの印象は持ちました。一方で自分が◎にしていたマジックサンズ(2番人気)は⑩着。2度目の騎乗になる鞍上が最内枠から出して行く競馬を試したようですが、結果的にこれが裏目に出て、道中も折り合いを欠いていました。それにしても直線は伸びませんでしたが、最後は無理をしていないようでしたし、これでガス抜きができたという考え方もあるので、次走で簡単に評価を下げないようにしようと思っています。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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