5月7日(日曜)に東京競馬場で行われた第28回GⅠNHKマイルC(芝1600m・3歳・雨・稍重馬場)は9番人気のシャンパンカラーが優勝。管理する美浦・田中剛調教師は当レース初勝利。騎乗した内田博幸騎手は07年にピンクカメオで制しており、2勝目となった。シャンパンカラーは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は青山洋一さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

▲12番クルゼイロドスルは感冒のため出走取消

 

▲レース動画はコチラをクリック

 

【展開・ペース】 降り続いた雨の影響で馬場状態の悪化が進行。稍重発表でしたが、重馬場に近いタフなコンディションに。その中で、半マイル通過46秒3というペースは速く、後方を進み、直線で外へ持ち出した差し・追い込みタイプに有利な展開となりました。

 

 

【レース分析】 優勝したのはシャンパンカラー(9番人気)。パドックではテンションが上がることなく、キビキビと活気あふれる周回。中3週と間隔が詰まっての出走でも気配は良く映りました。スタートで少し出負けしてしまいましたが、これにより却って思い切った騎乗ができた面も。直線は一気に先頭を捉え、最後ウンブライルの追い上げを凌いでビッグタイトルを獲得。1月の京成杯で敗れたことで、すぐにマイル路線に戻し、ニュージーランドTは敗れたとはいえ、厳しいレースを経験。それが今回に生きました。

 

 

 「久々のニュージーランドTでこのレースの権利が取れましたし、広い東京も合っていると思っていました。レース前は5~6番手でと考えていましたが、周りが速かったですし、主張する馬もいたので馬に負担をかけないで終いを生かす競馬をしました。4コーナーでも手応えが良かったので、早めに抜け出さないよう周りを見ながら追い出しを待ちました。あとはそのままゴールを駆け抜けてくれればと追いました。最近はGⅠに乗る機会も少なくなりましたが、僕を乗せてくださったオーナーや田中剛先生、関係者の皆さんに本当に感謝しています。これからもっと力をつけると思いますし、実りのある馬になるでしょう」とレース後に内田博幸騎手はコメント。2007年は17番人気のピンクカメオを勝利に導いた内田騎手。当時も雨が降っていたのを思い出した方も多いのでは。シャンパンカラーはこれで東京マイルでは3戦3勝。今回は差し切って勝利と自在性も備えていますね。次走は3歳代表として安田記念に挑みます。

 

シャンパンカラーの4代血統表

 

 ウンブライル(8番人気)は、パドックではテンションが高めでも、もともと気性の激しさがある母系ですから、むしろ気持ちが入っていたと見ることもできますね。ゲートを出ると、スッと控えて直線勝負に徹しました。気性的にもこの戦法が合っており、また横山武史騎手は机上経験があったことも好結果につながりました。最後は勝ち馬にアタマ差まで迫って惜敗の②着。ブリンカーを着用して安定度は上がっており、GⅠの舞台で能力の高さを示しました。オオバンブルマイ(3番人気)は中2週のローテーション、輸送もありましたが、体を維持しており、脚捌きも素軽く、好調を保っていました。直線はシャンパンカラーの外から脚を伸ばしてきましたが、ゴール寸前で脚いろが鈍って③着。

 

 

 ダノンタッチダウン(6番人気)は、皐月賞を使ったことでプラス体重でも、馬体の緩さがなくなり、全身を使って迫力満点の周回。中団の外めを進み、掲示板を確保した中では、ワンテンポ早く仕掛けていました。勝ちに動いた分だけ追い比べで後れを取った形。前走は大敗を喫しましたが、しっかりと巻き返して朝日杯FS②着の地力は示しました。乾いた馬場でその走りを見てみたいものです。カルロヴェローチェ(1番人気)は返し馬までホライゾネットを着用してイレ込みは軽減。馬体は逞しく、柔らかみがあってスケールの大きさは感じさせました。多少、行きたがる感じはありましたが、中団で我慢できていました。直線半ばに差しかかって①、③着馬に脚の勢いで劣り、上位争いから後退。個人的には良馬場であれば結果も違ったと思うのですが・・・。

   

text by 京増 真臣

 

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止