6月18日(日曜)に東京競馬場で行われた第28回GⅢユニコーンS(ダ1600m・3歳・別定・晴れ・良馬場)は単勝1番人気に支持されたペリエールが優勝した。管理する美浦・黒岩陽一調教師は当レースは初勝利。騎乗したC.ルメール騎手は2015年のノンコノユメで勝って以来、2勝目となった。ペリエールは北海道新ひだか町チャンピオンズファームの生産馬。馬主は長谷川祐司さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 好スタートを決めたニシノカシミヤが一気に主導権を握ると、2番手のサンライスジーク以下は無理に競り込むことはせず、前半3ハロン34秒6は近年の当レースと比べても極端に速くはない流れ。ただ、その後も11秒台のラップを続けたので、3コーナーあたりから先頭と2番手の間が少し開き、全体的にはハイペースの展開になってラスト2ハロンは12秒台。レース上がり自体も37秒0を要し、ある程度の位置で流れに乗れる機動力+地力が問われる高いレベルの一戦となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったペリエール(1番人気)はドバイからの帰国緒戦でしたが、2月のヒヤシンスSから4キロ減の馬体をすっきりと見せて好仕上がり。返し馬では若干、テンションが高めでしたが、気負うほどではなく、互角のスタートから序盤は中団につけると、馬の行く気に任せる感じで好位に追い上げ、そこからの折り合いもばっちり。直線を向くと軽く促す程度で前に並びかけて、本格的に追われたのは抜け出すタイミングの時だけ。何回かステッキは入りましたが、終始、余裕のあるレースぶりで、まさに完勝といえる内容でした。

 

 

 「能力を見せてくれました。海外のレースを経験したことがこの馬のいいポイントになって、今日はメチャクチャ強かったです。初騎乗でしたが、彼のレースを見返して、乗りやすいイメージを持っていました。スタートからスピードを出して、3~4番手からいつも通り折り合いよく運べました。いつもは長く脚を使う馬ですが、今日の彼は反応も早かったです。この馬ならGⅠレベルでも頑張れると思います」とレース後にC.ルメール騎手はコメント。確かに力通りに駆ければ最有力と目された戦前の評価を上回る圧巻のパフォーマンスでしたし、時季や馬場状態の違いを考慮しても、今年のフェブラリーSを0秒6上回った時計も文句なし。左回り&ワンターンのダートマイルは東京コースの他にも大きなレースがありますから、早くも上の世代との対戦が楽しみになってきました。

 

ペリエールの4代血統表

 

 ②着サンライズジーク(7番人気)は揉まれずに2番手を進む形になって、この馬の位置で、ちょうど平均ペースといった流れ。一見、理想的なレース運びに映りますが、勝負どころから直後に強い勝ち馬がいて、自身が先頭に立とうとした時には外から並びかけられましたから決して楽とはいえない展開。それでも、後続に交わされる感じはありませんでしたし、それまで2戦2勝だった東京1600mとの相性は抜群。今後は1周競馬など、他の舞台への対応がポイントになるでしょう。自身が当日版の紙面で◎にしていたブライアンセンス(2番人気)は③着。想定していたよりも少し位置取りは後ろでしたが、最後まで脚を伸ばして馬券圏内を確保してくれました。前走より自身のタイムは詰めていますし、今日のところは上位馬と完成度の差もあった印象。今回も迫力のある好馬体は目につきましたから、先に向けて成長の余地は十分にあると考えています。

 

 

 次走以降に向けて強調しておきたいのは④着のメイショウモズ(11番人気)。スタートで外にヨレて、芝の部分で置かれましたが、4コーナー最後方から大外に出すとレース上がりを1秒5も上回る末脚で、③着馬とクビ差まで追い込んできました。まだ粗削りなので、次走で人気になるようだと少し怖い面はありますが、自己条件は1勝クラスですし、いずれは頭角を現してくる素材であることは間違いないでしょう。⑤着のグレートサンドシー(3番人気)も、まだ心身ともに成長途上のイメージがあるなかで崩れていませんし、⑥着オマツリオトコも最内枠から出負け気味で③着とは僅差でしたから、内容的には決して悪くありません。以下も距離やコースが替われば、変わってきそうな馬は少なくないので、大雑把に今年のユニコーンS組は先々も目が離せないと考えてもいいのかもしれません。

 

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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