5月7日(日曜)に新潟競馬場で行われた第45回GⅢ新潟大賞典(芝2000m・4歳以上・ハンデ・雨・不良馬場)は単勝5番人気のカラテが優勝。管理する栗東・辻野泰之調教師、騎乗した菅原明良騎手とも当レースは初勝利。カラテは北海道新冠町中地康弘さんの生産馬。馬主は小田切光さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

▲レース動画はコチラをクリック

 

【展開・ペース】 セイウンハーデスが馬の行く気に逆らわずハナに立ちました。直後にいたショウナンマグマレッドランメルトは無理に競るようなことはせず、道中はセイウンハーデスが単騎で逃げる形に。大半がコーナー部分の5~6ハロン目はラップが緩みましたが、それ以外は不良馬場を考慮するとペース自体に極端な淀みはなく、道悪への適性&消耗戦に対応できる地力が求められる展開になりました

 

 

【レース分析】 勝ったカラテ(5番人気)は約5カ月ぶりの実戦でも馬体は太め感なく仕上がり、レースでも互角のスタートから好位のインを行きっぷり良く追走。直線を向いた時も手応えは十分で、後続を引き離しにかかった②着馬に1頭だけ内からついていくと、最後はきっちりと前を捉え、重賞3勝目を手にしました。

 

 

 「終始、手応えが良くて、直線は伸びてくれる自信がありました。今日は59キロを背負っていた分、反応して伸びるのに時間がかかりましたが、しっかりと勝ち切ってくれて良かったです。7歳でも馬はフレッシュで元気がありますし、まだまだ走ってくれると思います。しっかりと結果を出すことができて嬉しく思います」とレース後に菅原明良騎手はコメント。4歳時に不良馬場の1勝級を快勝しており、道悪を苦にしないことは戦前から分かっていましたが、休み明けでトップハンデ、初めての59キロを難なくクリアしたあたり、終わってみればGⅢでは格が違ったということでしょう。年齢の割にレース消化数も多くありませんし、今後も息の長い活躍が期待できそうです。

 

カラテの4代血統表

 

 ②着が本紙で◎に指名し、個人的に当日版16面の“今日の狙い”にも取り上げていたセイウンハーデス(単勝2番人気)。最近は積極的なレースぶりが目につく津村騎手なら、ショウナンマグマの出方次第で逃げる形もあるかも、とレース前から想定していましたし、道悪を苦にしない走りも期待通り。相手よりも斤量は3キロ軽かったわけですが、強い勝ち馬の目標になる展開で、後続には8馬身差をつけていますから、やはり中距離なら現4歳世代の中でも上位にランクできる馬と言えます。今後は揉まれる形になった際への対応がポイントになるでしょう。

 

 

 離された③着以下は馬場状態や展開ひとつで着順が変わりそうですが、③着イクスプロージョン(12番人気)はオルフェーヴル産駒でも昨夏、新潟芝1800mのオープンを1分44秒台の時計で勝っていて、道悪が得意とは言えないタイプ。左回りの中距離なら重賞にもメドを立てたと見ていいでしょう。逆に④着モズベッロは馬場が悪化した宝塚記念で③着、大阪杯は②着の道悪巧者ですから、今回の結果だけで復調モードに入ったと考えるのは早計かも知れません。ただし、この馬は状態が上がってくれば調教でも動くタイプですから、きっかけを掴んだかは、次走の追い切りを見て判断したいと考えています。一方、1番人気に支持されていたスパイダーゴールドはまさかの最下位。道悪の巧拙、キャリアの差が出たといえますが、今後に向けては初めて大敗を喫した影響も考えなくてはいけませんし、慎重に評価を決めたいところです。

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止