2月28日(土曜)に中山競馬場で行われた第21回GⅢオーシャンS(芝1200m・4歳以上・別定・晴れ・良馬場)はペアポルックスが優勝。管理する栗東・梅田智之調教師、騎乗した岩田康誠騎手ともオーシャンSは初勝利だった。ペアポルックスは北海道沙流郡平取町ASK STUDの生産馬。馬主は廣崎利洋HD(株)。
それでは、レースを振り返っていきましょう。

▲レース動画はコチラをクリック
【展開・ペース】 スタートは一斉でしたが、二の脚を利かせてピューロマジックが一気に先制。ハナに立ってからもケレン味なく飛ばして前半3ハロン通過は32秒0。少し離れた2番手グループでもオーバーペースに近い流れで、展開的には明らかに差し有利でしたが、開幕週の芝、しかも1回開催では使われていなかった部分も走れるAコースの初日でしたから、馬群の外を回った馬は分が悪く、内枠から追い込みに徹した両馬のワンツー決着となりました。


【レース分析】 勝ったペアポルックス(7番人気)はスタートが今ひとつでしたが、慌てることなくインの後方で折り合いに専念。ペースが速く馬群が縦長になったこともあって、勝負どころから直線で最内を通っても1度も進路が塞がることはなく、鞍上のアクションに応えて一気の差し切り勝ちを決めました。
「何回か乗せてもらっていて、この馬のことは分かっていました。勝ち切れないレースが続いていましたが、今日はいいパフォーマンスを見せてくれましたね。最後は最内が開いていましたし、狙い通りでした。腹を括って、この馬の脚を信じて乗ったんです。瞬発力はあるので、それを前半に使うか、後半に使うかの問題なんです。昨年の高松宮記念は失敗してしまったので、今年はいい走りを見せられたらと思います」と岩田康誠騎手はレース後にコメント。昨年の当レース②着時は先行しての粘り込みでしたが、2走前のスプリンターズSは後手を踏みながら上がり32秒台の末脚で0秒8差まで追い上げていましたから、差しに転じての快勝劇も驚けない結果(自分も△はつけていました)。今回は展開と枠順が噛み合い、岩田康誠騎手らしいイン差しが嵌まったので、GⅠで同じ芸当は正直、期待しにくいところですが、メンバーの揃った一戦での重賞初制覇は素直に評価すべきでしょう。

▲ペアポルックスの血統表
②着レイピア(5番人気)も内枠から脚をためる戦法で、直線を向いてからは内の勝ち馬と、逃げた馬を交わしに出た③着馬の間を突く形。勝ち馬とのクビ差は進路取りの差で、内容的には互角と言っていいでしょう。勿論、この馬も枠順と展開が味方しましたが、前走のシルクロードS②着は外枠からスローを差す競馬でしたから、戦法に幅が出て、軌道に乗ってきたと見ていいでしょう。速い時計の決着に対応できた点も収穫ですし、まだ4歳馬なので、更なる伸びしろも期待できそうです。そして最も強い競馬をしたと言ってもいいのが③着のルガル(1番人気)。ハイラップを気合をつけて追いかけて、正攻法の競馬で馬券圏内を確保したのは立派の一語。前走の阪神Cをレコード勝ちで完全復調をアピールしていましたが、それを改めて裏付ける走りを見せてくれました。高松宮記念は過去2年、⑩⑦着と凡走していますが、今年は違う結果が出ても、まったく不思議がないでしょう。
④着ママコチャ(3番人気)、⑤着ヨシノイースター(11番人気)も枠順やコース取りを考えれば、少なくとも①②着馬とは互角か、それ以上に扱える内容。ママコチャはGⅠ馬の地力を示したと言えますが、ヨシノイースターも8歳馬ながら、昨年のスプリンターズS⑤着時よりレベルアップしている印象。高松宮記念に駒を進めてくれば一発があるかも、という印象を持ちました。自分が◎にしていた⑥着フリッカージャブ(4番人気)も外枠から③着馬に近いレースをして、0秒3差なら健闘といえる内容。これまでスピードの違い逃げていた馬が、好位からの競馬をして崩れなかった点も評価できます。また、本紙◎で自分も〇にしていたファンダム(2番人気)は⑫着の結果でしたが、中団から馬群の中を突いて、進路がなくて窮屈な競馬に。脚を余していた感じでしたし、初めての1200mが超ハイペースになったので、経験の差が出たとも考えられます。今回は力負けではありませんから、距離に慣れてくればスプリンターとして素質が一気に開花する可能性も、大いにあると見ています。
text by 五十嵐 友二

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。










