4月13日に中山競馬場で行われた第21回JGI中山グランドジャンプは断然の支持を集めたオジュウチョウサンが優勝。2005年から3連覇を成し遂げたカラジを上回る、中山グランドジャンプ4連覇を達成した。同一重賞4連覇はJRA史上初となる偉業。また障害での連勝記録を11と伸ばし、JGIの勲章もこれが6つ目。鞍上の石神深一騎手はこれでJGI7連勝(2018年中山大障害はニホンピロバロンで優勝)管理するのは和田正一郎師。オジュウチョウサンは北海道平取町・坂東牧場の生産馬。馬主は㈱チョウサン。

 

 

それではレースを京増TMに振り返ってもらいましょう。

トーアツキヒカリシゲルボスザルは落馬により競走を中止

 

【展開・ペース】マイネルプロンプトを制してミヤジタイガがハナを奪う。オジュウチョウサンは前に2頭を見ながら3番手に陣取った。大竹柵、大いけ垣障害の手前ではオジュウチョウサンがポジションを上げ、ミヤジタイガと馬体を並べて難関障害を飛越。しかし、ミヤジタイガは簡単に先頭を譲らず、再びリードを取って先導する。レース後半に差し掛かりミヤジタイガが苦しくなって後退すると、すかさずニホンピロバロンタイセイドリームシンキングダンサーが押し上げてオジュウチョウサンにプレッシャーをかける。序盤から最終盤まで息詰まる攻防が繰り広げられた。

 

ライバルのチャレンジを跳ね返し、力を誇示したオジュウチョウサン(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】パドックに登場したオジュウチョウサンは馬体の張り、毛ヅヤとも申し分なし。前哨戦を叩いた効果も感じられ、いい状態で本番を迎えられた。ただ、レースでは王者に楽な競馬はさせないという気概を感じさせるライバルたちに、入れ替わり立ち替わり競り込まれてプレッシャーがかなりキツかった。勝ちタイムは自身が昨年マークしたレコードよりも4秒以上遅い4分47秒6。それだけ厳しいレースとなり、スムーズに力を発揮できなかったことを物語っている。それでも、最終障害を飛越すると後続を振り切ってゴール。②着と2馬身半差だったが、着差以上に強さを改めて感じさせる内容だった。

パドックでのオジュウチョウサン(撮影:yu~kun)

「みんなが勝ちを意識して潰しにきていたので終始油断できない競馬になりましたが、力を信じて乗りました。道中あれだけ絡まれながらも、最後にしっかり脚を使ってくれるのだから、本当に強い馬です。こんな馬とコンビを組めて嬉しいです」石神深一騎手。同一重賞4連覇という偉業、JGI6勝目という金字塔を打ち立てた絶対王者オジュウチョウサン。次走はGⅠ宝塚記念を視野に入れて調整されるとのこと。平成から令和へと元号が変わっても挑戦は終わらない。

 

オジュウチョウサンの4代血統表

 

 シンキングダンサーは2カ月半ぶりだった前哨戦を叩いてデキが上昇。その前走阪神スプリングジャンプと同様にオジュウチョウサンを前に見ながら運ぶ形。終盤、スルスルと進出し、オジュウチョウサンと馬体を併せて最後の直線へ。最終障害を飛越後に離されてしまったが、見せ場は十分。馬齢はまだ6歳とハードル界の次代を担える存在。地力強化目覚しい点と将来性を重視し、対抗の印を打ったが、期待に応える走りを見せてくれた

 マイネルプロンプトも上々の気配。勝負どころでシンキングダンサーとタイセイドリームに挟まれて、ポジションを下げたのは痛かった。それでも、直線は盛り返すように脚を使って③着に好走。中山、大障害コースは本当に合っている。

 タイセイドリームは馬体が絞れて状態は上向き。前走とは違い、オジュウチョウサンの後ろに陣取って虎視眈々と追走。負かしに動いて見せ場は作った。ただ、タフな大障害コースは、本質的にキツい印象だ。

 

                                 text by 京増真臣

 

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