9月8日に中山競馬場で行われた第64回GⅢ京成杯オータムハンデ(芝1600m・3歳以上・ハンデ)は単勝4番人気のトロワゼトワルが後続に影すら踏ませずに逃げ切り勝ち。1分30秒3という勝ちタイムは従来のコースレコードをコンマ4秒更新する好タイム。鞍上は横山典弘騎手。管理するのは栗東・安田隆行調教師。トロワゼトワルは北海道千歳・社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース。

 

それではレースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 先行することが予想されたハーレムラインプールヴィルが外枠になったこともあり、トロワゼトワルが先手を主張して、2~4ハロン目に10秒台のラップを並べて前半1000m通過は驚愕の55秒4。その後も極端にはペースを緩めず、上がりも34秒台でまとめたのでは後続はなす術がなく、JRAレコードを更新する快時計での決着となりました

 

【レース分析】 トロワゼトワル(4番人気)の最大の勝因は鞍上の好判断、好騎乗ですが、スピードの持続力をフルに発揮する戦法に応えた馬自身の地力強化も見逃せません。また、あとから考えると短距離の一流馬を多く輩出している安田隆行厩舎の仕上げと、この日の馬場状態がマッチしていた側面もあるかも知れません。

 

トロワゼトワルの4代血統表

 

 「開幕週の馬場でもあり、この馬の持ち味を生かす競馬をしました。見ている分には速いペースだったと思いますが、この馬場を考えれば速くないんです。追って切れない馬ですし、52キロのハンデなので積極的に行きました。今後は斤量が増えて相手も強くなるので、もっと良くなってほしいですね」横山典弘騎手はレース後にコメント。確かに上を目指すには課題もありそうですが、時計が速かったのは西の阪神開催の開幕週も同じで、もし次走以降も似たような馬場傾向になり、スプリント性能が要求される設定となった場合は目の離せない存在といえるでしょう。

 

 

 ②着のディメンシオン(5番人気)、③着ジャンダルム(10番人気)も積極的な立ち回りが奏功しての好走といえますが、前者は得意にしていた新潟から中山に替わってもフルに能力が発揮できた点が収穫、後者も近走とは違うレース運びで好走。これは単に展開が向いただけとは考えない方がいいでしょう。

 一方、不完全燃焼に終わったのが直線で内を突く判断は正解ながら、前が詰まってしまった⑥着ストーミーシーと好枠ながら位置取りが中団になり、直線は馬群で包まれる形から最後に外へ出てジワジワと伸びていた2番人気の⑦着クリノガウディー。ともに脚を余していたので、スムーズなら②着争いには加わっていたかも。個人予想で◎にしたプールヴィルは離れた2番手を追走していましたが、粘りは案外。1番人気で⑪着に敗れたグルーヴィットと同様、経験したことのないハイペースへの対応ができなかったと考えるべきでしょうか。勝ち馬を3番手評価にして、◎▲の馬連、ワイドもビシッと買っていたので‥‥。

 

 

                                 text by 五十嵐 友二

 

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