2020年12月6日(日曜) 3回中京2日

 レースはこの枠ですから砂を被りたくないエアアルマスが出していってハナへ。外からインティが続いて、2頭が引っ張る形。今年は前半1000m通過が60秒3。これは2014年に中京で行われるようになってから2番目(最速は2015年の60秒2)に速い数字。後半はほぼペースアップするところがなく、最後の1ハロンが12秒9と要しました。昨年よりもタフな流れだったことは確か。

 クリソベリルは単勝1.4倍の断然1番人気(2番人気カフェファラオで6.0倍)。ディフェンディングチャンピオンであり、国内無敗の戦績を考えると当然といえるかもしれませんが、ファンの期待に応えることはできませんでした。敗因はいくつか考えられます。真っ先に挙げられるのは状態面。これまでで最もレース間隔が短い中4週のローテーション。土曜日にも坂路で強めを乗られながらプラス12キロの馬体重。レース後、川田騎手は「今の具合でよくここまで来てくれました。能力の高さで辛抱してくれました」とコメント。次に馬場とペース。これまで良馬場の経験は、デビュー戦と昨年のチャンピオンズC、海外のレースだけ。あとは稍重~重でのレースばかり。その上で、今年の道中はハイレベルだった昨年以上にタフな流れ。それぞれが絡みあっての4着といえそうですが、大崩れしなかったあたりは地力の高さでしょう。当然、巻き返しに期待します。

 チュウワウィザードはこれまでクリソベリルとの直接対決で3度後塵を拝してきたわけですが、ようやく一矢を報いました。それも唯一馬券圏内を外しているチャンピオンズCという舞台で。道中はライバルを前に見る形にレースを進めます。ずっと手が動いていましたが、タフな流れでこの馬の真骨頂であるスタミナを遺憾なく発揮。後続に2馬身半差をつける完勝でした。

 ②着には2017年の覇者ゴールドドリームが入りました。スタートは両隣が早く、少し引かされた格好。ただ、コーナーワークで中団につけて、結果的に勝ち馬をマークする形に。勝負どころは前を行く勝ち馬を追いかけながら、その外へ。うまい具合に流れも向きましたが、やはり力があります。

 インティは、スタートは外のヨシオの方が速かったですが、仕掛けてそれをパス。2番手でも折り合って自分のリズムで運べたことが好走の要因。最後は手前が替わらず、惜しくも②着馬に差されましたが、見せ場は十分。ペースを考えると、かなり強い競馬でした。武豊騎手も「3~4角で掛かってしまった。そこがゆったり行ければもっと面白かったと思うけど、復活の兆しは見せてくれたね」と負けはしましたが、手応えを感じた様子。

 道中はゴールドドリームの外に位置したカフェファラオ。最後に伸び切れなかったのは現状の地力の差とはいえ、こちらは外を回った分のロスがありましたし、まだ3歳。いい経験になったはずです。

text by 小林  

 

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