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朝日杯FS レース回顧

第69回 朝日杯フューチュリティステークス(G1)

 強かったですね、ダノンプレミアム。川田将雅騎手は今年の重賞4勝目。G1は安田記念のサトノアラジンに続く2勝目になります。管理する中内田充正調教師は、これが嬉しいG1初勝利でした。紙面上で担当したデータ室では『◎はダノンプレミアムで仕方ない』と書いていましたが、内容はというと……。

●1着候補は、前走は芝千六以上の1着で、4番人気以内。

●デビュー戦を単勝1番人気で制した馬が活躍。

●新馬・未勝利勝ち直後は割引。

 この3点をクリアしている馬を探すとダノンプレミアムになりました。来年もこの項目には注意したいですね。それではレースラップです。

1:33.3(12.6 – 10.8 – 11.8 – 12.0 – 12.1 – 11.3 – 11.0 – 11.7)

 勝ち時計の1分33秒3は、舞台が阪神に移った2014年以降で最速。中山開催時でグレード制が導入された1984年まで遡っても最も速い時計でした。ただ、現在の阪神1600mで基準タイムとなっているのが、2006年にウオッカが阪神JFでマークした1分33秒1。さすがは日本ダービー馬といったところでしょうか。

 レースとしては2ハロン目に10秒8としっかり加速して、中盤2ハロンが12.0 – 12.1。この部分の阪神で行われた過去3年平均が12.6 – 12.5。そこから一気にギアが上がり、ラスト3ハロンは34秒0の瞬発力勝負となりました。底力、瞬発力とも必要な総合力の高さが問われたレースといえるでしょう。上位に来た馬は、素直にその実力を評価していいと思います。

 勝ったダノンプレミアムは好枠と好スタートで楽に3列目インをキープ。道中はグッと脚を溜めて、直線に向いて前が開くと早々と先頭に立ち、追い出すと一気に抜け出して後続に3馬身半差の完勝でした。上がりはメンバー最速の33秒6。スピードとパワーを兼ね備えた見事な走りでした。現状ではマイラー色が強いので、距離が延びてどういった走りを見せてくれるのかに注目したいですね。

 2着は前哨戦のサウジアラビアロイヤルCでもダノンプレミアムの2着だったステルヴィオ。レースは中団の後ろから。勝負どころで包まれる感じで、直線は前が窮屈になるシーンもありましたが、ラスト1ハロンからグイグイと追い上げました。ただ、スムーズであっても逆転は難しかったでしょう。こちらはもっと距離が延びて良さそうです。そこからハナ差遅れでタワーオブロンドンが3着。道中はずっと勝ち馬を見ながら、直線に入っても前を行く勝ち馬を追いかけましたが、捉えるどころか突き放される格好。それでも一旦は集団から抜け出したところで外から強襲を受けました。今日は1400mほどの脚を使えなかったあたり、マイルは少し長かったかもしれません。

 ケイアイノーテックは2着とタイム差なし。直線は外へ誘導して狭いところから伸びてきました。ダノンスマッシュも0秒1差。スタートで躓いて出遅れ。ただ、コーナーはインをロスなく、抑え込みながら回ってこられました。もう少し流れに乗ってレースができていれば。共にステルヴィオと同じレース2位タイの上がり33秒8でした。

text by 小林 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。