2019年4月14日(日) 皐月賞

【展開・ペース】 大方の予想通り内めの枠からランスオブプラーナがハナに立ちましたが、外からダディーズマインドも積極的に前に出てきたので2ハロン目が10秒5と1コーナーまではペースが落ち着かず。前半5ハロン通過も59秒1で近年の皐月賞と同様、緩みのない流れで推移。それでも、レースのラスト3ハロンはすべて11秒台と速く、スピードの持続力か、瞬発力、またはその両方が要求されて、決着時計は2017年にアルアインが記録したレースレコードと0秒3差。上位馬のレースぶりの質の高さは数字にも表れています。

 ②着のヴェロックス(4番人気)は返し馬に入る際に若干、テンションが高めでしたが、これは許容範囲内。レースでも勝ち馬の一歩前から正攻法の競馬をして、直線では相手に寄られて接触する不利がありながら、最後まで伸びて連対を確保しました。単純に今回のレース内容だけなら①着馬と遜色ない走りと言っても問題ないと思いますし、「強い勝ち馬に差を詰めて走ることができましたし、ダービーで逆転できるように、これからの時間を過ごしていきたいと思います」という川田騎手のコメントには敗戦の悔しさ、再戦に向けての闘志が感じられました。

 

 

2019年5月26日(日) 日本ダービー

【展開・ペース】 ロジャーバローズが最内枠から促してハナを切ろうとするが、1コーナーに入るところで外からリオンリオンがこれを交わして先頭。リオンリオンは主導権を握ってからも極端にペースを緩めず、2番手以下を離していく。57秒8という前半1000m通過タイムは高速馬場を考慮してもかなり速いペースだった。

 ヴェロックスも皐月賞の時よりもうるさい感じだったが、特に問題はなく、中身の濃い攻めを積んで馬体重は8キロ増。逞しさが増して、好感が持てた。前を行くダノンキングリー、後ろのサートゥルナーリアを意識したポジショニング。直線もしっかり脚を使って、一旦は前に出られたサートゥルナーリアを差し返しているが・・・③着。展開のアヤもあったように思う。

 

 

2019年9月16日(月) セントライト記念

【展開・ペース】 ハナ候補と目されたのはマテリアルワールドとリオンリオン。前者はゲートの出が今ひとつだったのに対し、後者はポンとスタートを決めると出脚がついて先頭に立った。このまま隊列が決まるかと思われたが、外からアトミックフォースがリオンリオンに並びかける。リオンリオンは自然体で先行しただけで掛かっているわけではなく、ハナを譲ってインの3番手へ。何気ないシーンだが、もし、序盤から仕掛けてリオンリオンが闘争心を表に出していたら、この地点で競りに発展し、無駄なエネルギーを消費していた可能性も。前半1000m通過は59秒8。後半の1000mも同じ59秒8。イーブンペースで緩みがなく、地力を問われる流れだった。

【レース分析】 未明から雨が降り続き、この日の中山芝は重馬場発表。ただ、開幕2週目ということもあったのか泥が跳ね、馬たちが蹴り上げた芝が飛ぶような悪いコンディションにはならず。2分11秒5という重馬場とは思えないタイムで決着した。

 ②着はサトノルークス、③着にザダル。2頭の共通項は内枠、そして内ラチ沿いをロスなく立ち回ったことだった。前述した通り、重馬場でもそれほど芝は悪くなく、速い時計の出るコンディション。「今の馬場状態を考えると、内か外かと言えば内を通る方がアドバンテージがあると思っていましたし、枠も良かったのでやることは内を捌くだけでした」ザダルに騎乗した石橋脩騎手はレース後にコメント。道中、ロスなく運んだことが好走に繋がった。サトノルークスに騎乗した川田将雅騎手もそうだが、そんな馬場傾向を敏感に感じ取り、勝負どころでも安易に外へは持ち出さないインにこだわったジョッキーの勝負勘も光った。

 ⑤着ニシノデイジーは折り合いを重視して前半は後方待機。日本ダービーの時のように内に潜り込むことはできなかったが、リズム良く走れていた。3コーナー手前から仕掛けて上昇を開始。4コーナーあたりで勢いがつき、最速の上がり3ハロンをマークして前に迫った。今日に関してはコース取り、位置取りの差が出た格好。決して悪い内容ではなく、本番では大きく変わって驚けない。

 

 

2019年9月22日(日) 神戸新聞杯

 直前に細かな雨が降り出したが、大きな影響はなかった。レースはシフルマンがマイペースに持ち込んで、ラップを見ても分かるように究極の瞬発力勝負に。折り合いと切れ味が問われる形となった。

 ヴェロックスは序盤で行きたがっていたが、馬の後ろにつけてからは落ち着いた。そこからはライバルであるサートゥルナーリアをマークする形。直線で勝ち馬の外に持ち出して追撃態勢に入るが、アッサリと突き放されてしまった。今日のところは完敗。ただ、こちらもまだ余裕を残したレースぶりだった。ワールドプレミアは若葉S以来でマイナス体重。相変わらずテンションも高かった。レースは後方からジックリと。直線で内のヴィントがムチに反応して外に流れてきた分、外に膨れる形になったが、レース最速タイの上がり32秒3で伸びてきた。気性面に課題を残すが、やはり能力は高い。

 レッドジェニアルもパドックでのテンションは高かったが、五分のスタートを切る。プラス12㎏は成長分だろう。勝ち馬の外で上手になだめて折り合いはついていたが、4コーナーでの手応えの違いは明らか。初めてと言っていい瞬発力勝負(それも究極の)で、上位には切れ負けした格好。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。