第33回GⅢフラワーカップは2番人気に支持されたコントラチェックが好スタートから主導権を握ると悠々と押し切って優勝。2014年に姉バウンスシャッセが当レースを勝っており、見事に姉妹制覇を成し遂げた。鞍上の丸山元気騎手は初騎乗ながら長所を存分に引き出し、自身にとってもこれが今年3つ目となるJRA重賞勝利に。管理するのは藤沢和雄調教師。コントラチェックは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。
それではレースを振り返りましょう。
【展開・ペース】
先手を主張するかと思われたジョディーがスタートして2~3完歩目に少し躓き気味になったこともあり、コントラチェックが無理に抑えず、自然体でハナへ。道中も2~7ハロン目までは12秒前後のラップが並び、気分良さそうにマイペースの逃げ。ラストから2ハロン目で11秒2と加速した時も手応えには余裕があり、ラストも鞍上が後ろを振り返りながら楽々と後続を振り切りました。
【レース分析】
コントラチェックは年明け緒戦の菜の花賞も1分33秒8の好タイムで逃げ切っていたので、スムーズな競馬ができればレースレコード(中山芝1800mで施行時)を記録しての快勝も納得の結果。初騎乗となった丸山元気騎手も「僕はただ乗っているだけでした。行く馬がいれば2、3番手でもと考えていましたが、スタートが凄く良くて、スピードが他馬と全然、違ったのでリズム良く運べました。このスピードと、最後にまたギアが上がる点が強みですね」とレース後にコメント。これで3勝はいずれも逃げ切りなので、抑える競馬への対応が安定度UPの課題かもしれませんが、少なくとも同世代の牝馬同士のレースなら、スピードで押す形を続けてもいいのでは、と個人的には思ったりもします。次走は桜花賞ではないようですが、その動向からも目が離せませんね。
②着のエールヴォア(1番人気)は結果的に完敗の②着でしたが、戦前に陣営からはフットワークが大きいので、スムーズに先行する競馬が理想というコメントが出ており、当初のプランよりも後ろの位置でのレースになったことが誤算。それでも、連対を確保するあたりが能力の高さで、こちらは次走が桜花賞のようですが、距離短縮が微妙な反面、広い阪神の外回りに替わる点はプラスでしょう。その後のオークスに向けても、ここで賞金を加算できたことは大きいですね。
ランブリングアレー(5番人気)は放牧明けで初の関東遠征でしたが、馬体減りもなく、好位からしっかりと脚を伸ばして②着馬とはハナ差で馬券圏内を確保。2戦目に自身の時計を一気に詰めての1勝級②着の内容や、母が活躍馬という血筋の良さからも素質は高く、オークス路線では注目の1頭となりそうです。更に④着のシャドウディーヴァ(3番人気)も結果的に中山の内回り1800mは忙しかった印象。好走実績を残している東京コースに替われば見直しが必要でしょう。
他ではキャリア1戦で臨みながら唯一、上がり33秒台を記録して大外から伸びていた⑥着アイリスフィール、スタートで躓いて流れに乗れなかった⑧着レオンドーロは、自己条件の1勝クラスに替われば、積極的に狙ってみたい印象を受けました。
text by 五十嵐
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。