2019年3月16日(土) 2回中京3日

 創設当初は「中日スポーツ賞4歳S」というレース名で距離は1800m。勝ち馬からサッカーボーイ、オサイチジョージ、ネーハイシーザーがのちにGI制覇。1200mに変更したあともサニングデールとジョーカプチーノがGIホースに。1400m戦となって8回目の今年は年明けのジュニアCを勝ち3戦2勝の外国産馬ヴァッシュモンが3.7倍で1番人気。ローゼンクリーガーは前走の阪神JFで⑫着と大敗したが、適距離に戻ったことで2番人気の4.4倍。ダートで2戦2勝のグルーヴィットが6.0倍で3番人気。シンザン記念⑤着以来のハッピーアワーが6.3倍。2歳時にサウジアラビアロイヤルC②着があるドゴールが8.8倍と続いた。

 レースはスタークォーツが引っ張り、前半の600mは34秒2と平均より少し速い程度。動きが少ないまま直線に向くと、好位の外にいたヴァッシュモン、ドゴールの手応えはひと息。内からローゼンクリーガーが抜け出そうとしたところに、前半は控えていたグルーヴィット、ハッピーアワーが外から強襲。最後はハッピーアワーがグルーヴィットに4分の3馬身差をつけて初重賞制覇。管理する武幸四郎厩舎にとっても初重賞制覇です。

 勝ったハッピーアワーはここ2走のマイル戦で折り合いがつくようになっていたことが、べストと思える1400mの今回につながった印象。今までになくスムーズで末脚には迫力も感じられました。鞍上の吉田隼人騎手は「今なら1600mでも大丈夫だと思います」とコメントしているように、NHKマイルCでも展開次第ではチャンスがありそうです。

 ②着グルーヴィットは初めての芝でマイナス14キロでしたが、パドックではむしろスッキリと見せており、脚の運びも軽快。気掛かりだった2つの要素をこの時点でクリアしているように映りました。レースも中団の外から反応良く伸びてきました。血統的には3代母がエアグルーヴ。3歳秋や古馬になって本格化する傾向の母系なので先々が楽しみ。

 ③着ローゼンクリーガーは好位の内からロスのない競馬。最後は上位2頭から離されましたが、先行馬では唯一の掲示板確保なので、展開面を考慮すれば悪くない内容。レースぶりからしても、やはり1400m以下が守備範囲でしょう。

 ④着は格上挑戦だったショウナンタイガ。中団から枠なりにラチ沿いを狙ったのが奏功した感じは強いですが、芝の短距離で末脚を生かす形ではまだ底を見せていない魅力はあります。今回のように折り合いがつけば、自己条件ではもちろん、オープンでも楽しみな1頭。

 ⑤着ブリングイットオンは単勝170.9倍の14番人気ながら健闘。前崩れに乗じた感じもありますが、混戦に強そうなタイプで多頭数の追い比べになる展開なら出番がありそうです。

 1番人気ヴァッシュモンは⑥着。右に張って走る馬で東京では未勝利勝ちしているものの、コーナーがキツい中京の今回は外へ膨れ気味になり、直線でも右にモタれていた。それでも、先行馬のなかではローゼンクリーガーに次ぐ着順。コース替わりで見直したいです。

 

text by 石井大

 

 

 

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