2020年11月15日(日) 5回阪神4日

 11月15日に阪神競馬場で行われたエリザベス女王杯(GⅠ)は1番人気に推されたラッキーライラックが優勝。メジロドーベル、アドマイヤグルーヴ、スノーフェアリーに次ぐレース史上4頭目の連覇を達成。騎乗したC・ルメール騎手は2008年のリトルアマポーラ以来の2勝目。松永幹夫調教師は昨年に続く2勝目となりました。

 レースはペースを作ったのは意外にもノームコアでした。2ハロン目から11秒1―11秒2で1角過ぎから2番手以降を引き離し、その後も12秒0~12秒3のラップが5つ続く息の入らない流れ。そこからの上がり3ハロンはすべて11秒台ですから先行馬には厳しくなりました。

 勝ったラッキーライラックはスタートが速くても大外18番枠ということで抑え、スペースを見つけるとすぐに内に入れて前に壁を作り、折り合いがつきました。後方から動いてきたウラヌスチャームに交わされた残り800m地点での仕掛けも迷いがなく、この2つの動きが勝利につながったように感じました。最後にサラキアに差されていれば「仕掛けが早かった」と言われてしまうところですが、そこをしっかり残すあたりはさすがルメール騎手ということなのでしょう。

 追い込み届かず惜しい②着だったサラキアは後ろから4頭目を追走。ラッキーライラックが動き、ラヴズオンリーユーがそれを追いかける流れに乗っていきながら4角では馬なり。一旦はラヴズオンリーユーに離されましたが、坂を上がってからの伸びは1頭だけ違っていました。以前と比べてここ2走は長くいい脚が使えており、トップクラスの仲間入り。

 ラヴズオンリーユーは若干力み気味でしたが中団で流れに乗り、ラッキーライラックに交わされたあとも食らい付きましたが、直線の坂あたりで勢いが鈍りました。最後に伸びを欠いたところや、血統を考えると1600~2000m向きになってきたのかもしれません。

 ④着ウインマリリンは宣言通りにハナには立たず、前に馬を置いてラチ沿いの3番手を追走。コースロスがないとはいえ、先行馬に厳しい展開で0秒4差に踏ん張ったのは評価できます。今回もテンションが高かったように関西遠征がプラスとは言えないタイプ。叩き2戦目でオークス②着が伊達ではないことを見せました。

 ⑤着センテリュオはスタートこそ五分でしたが、リズム重視だったのか馬なりのままサラキアの更に後ろの位置から。そのまま前についていってスムーズな競馬はできましたが、上位3頭とはトップスピードが差が出た格好に。長くいい脚を使っていますが、勝ち切るにはもうワンパンチが必要でした。

 2番人気ノームコアは直線で失速して⑯着。横山典弘騎手は「思い描いていたレースはできた。今日は2200mでハナへ行く形だったけど、ハナへ行く競馬も武器としてイメージを持っていたからね。今回は距離というよりも久々の分だけ甘くなってしまったと思う」とコメント。前走の札幌記念が鮮やかだっただけに、この大敗は予想外。末脚を生かす形がいいのかもしれません。

text by 石井大輔

 

 

 

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