2021年2月21日(日) 2回小倉4日

 晴天で気温も上がり、春を思わせる陽気のなかで行われた今年の小倉大賞典は、単勝11番人気のテリトーリアルが優勝。8度目の挑戦で重賞初制覇。騎乗した石川裕紀人騎手、管理する西浦勝一調教師はともにこのレース初勝利となりました。

 勝ったテリトーリアルはスタート良く3番手を確保。前半の800m地点で逃げ馬から1秒5ほど離れた位置で被されることもなくリズム良く追走し、直線は馬場の中ほどへ。最後はボッケリーニが外から襲いかかって来ましたが、ハナ差凌いでゴール。前半の1000m58秒0はさすがにハイペースで、3番手は楽ではない位置ですが、先行して持久力を生かしたいこの馬にとっては理想的。長所を生かし切った石川騎手のエスコートも見事でした。西浦調教師としては、翌週を最後に厩舎が解散となるタイミングでのJRA重賞23勝目は思い出深いものとなったでしょう。


 1番人気のボッケリーニはスタートを決めて好位が取れたことと、内が荒れている馬場状態で外枠の不利が軽減。勝負どころは早めに手が動きましたが、それでも目前のテリトーリアルを追いかけて並ぶところまでは行きました。昨夏には同じ舞台でサラキアの②着もありますが、今回の走りを見ると広いコースの方が合っているようです。

 ディアンドルはハナを切りたいトーラスジェミニと1角まで併走。その後は折り合い重視で単独の2番手。ペース的に厳しい位置と思われましたが、4角で馬なりのまま先頭に立った時は約3馬身のリード。100m付近までは粘ったように見せ場十分。中距離路線に転向して3戦目。今回からチークピーシズも着用し、一変してみせました。

 アールスターはスタート後に内から寄られましたが、中団の位置なら問題なしといった感じ。3角過ぎから手が動いてもなかなかエンジンはかからず。直線に入ってようやく前の馬を交わし始め、勢いがついたところがゴール。この内容だと距離は2000m以上欲しい感じで、馬場も綺麗な方がスムーズに加速できる印象。

 デンコウアンジュはマイナス14キロでも細くは見せず。昨年の愛知杯を勝った時と同じように内を突いて、一旦は突き抜けそうな勢いもありましたが⑤着。JRA全10場重賞制覇のラストチャンスだった蛯名騎手は「自分の競馬はできました。最後までよく頑張ってくれたんですけどね」とコメント。内を突いて差し切った午前中のレースで感触を掴んでいたのか、レース運びに迷いがないように感じました。個人的には牡馬相手に56㌔は見込まれた感じでしたので、力は出し切ったと言えるでしょう。

text by 石井大輔

 

 

 

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