4月29日に新潟競馬場で行われた第41回GⅢ新潟大賞典は単勝7番人気のメールドグラースが直線で抜け出して優勝。今回が初めての重賞競走挑戦でしたが、1000万、準OPに続き、鮮やかに3連勝を達成してタイトルを獲得しました。騎乗したのは4月27日から短期免許で初来日し、騎乗中のD.レーン騎手。前日の28日は東京競馬場で騎乗して4勝を挙げ、その翌日に重賞Vと華々しい日本デビュー週となりましたね。管理するのは清水久詞調教師。メールドグラースは北海道安平町のノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。

それではレースを振り返りましょう。

 

【展開・ペース】 戦前の見立て通りブラックスピネルが先手を主張し、ドレッドノータスが2番手で続く形。5ハロン通過が60秒8に対して後半5ハロンが57秒8ですから、やはり道中はスローペースでしたが、それを考えるとレース上がり33秒7は極端に速いとはいえない数字。例年通り、春の新潟の芝コースは超高速馬場とはいえず、土曜に道悪で開催が行われた影響も多少はあったかも知れません

 

【レース分析】 勝ったメールドグラース(7番人気)は外枠から鞍上が巧みに中団をキープして、道中の折り合いもスムーズ。直線も②~④着馬より少し早目に追い出せて、しっかりと伸び切りました。これで今年に入ってからは無傷の3連勝。予想的なことを述べますと、年明け緒戦では、こちらも資質はOP級と見込んでいるダブルフラットを破っていて、気になる存在ではありましたが、新潟外回りの上がり勝負に対応できるかが課題と見て、印を回さなかったことが痛恨。勢いのある4歳馬は外せないと改めて思わされました

騎乗したD.レーン騎手も「いいスタートを切ってスムーズに流れに乗れました。前に壁を作れて道中の手応えも良かったですし、直線もしっかり反応してくれました。クラスが上がってもこういう勝ち方をするのですから力をつけていると思いますし、これからも楽しみですね」とコメント。それにしても前日は東京で4勝を挙げて、このレースでも長い直線を、ほぼ真っすぐにブレることなく追ってきた鞍上の手腕は光りました。今後も馬券的には頼りになりそうな存在ですね。

 

メールドグラースの4代血統表

 

 ②着ミッキースワロー(3番人気)は内目の少し窮屈な位置から馬群をこじ開けるように伸びてきて、最後もトップハンデながら接戦の②着争いを制したのですから、思っていた通りGⅢでは地力上位の存在。何とか命題としていた賞金加算には成功しましたし、今後の動向からも目が離せません。

 ◎に指名した③着ロシュフォール(1番人気)は10キロ減の体重でも細い感じはなく、メリハリのついた体つきで好仕上がり。ただ、レースではスタートが今ひとつで後方の位置取りになり、直線も勝ち馬の真後ろで進路が開くのを待たされる形に。力を出し切ったとはいえず、最速の上がり3ハロンもマークしましたが、この馬本来の瞬発力を考えると若干、物足りない印象も。パンパンの良馬場ならもっと切れる脚を使えるはずですから、そうなれば重賞初制覇にも手が届くでしょう。

 

 

 ④着ルックトゥワイス(2番人気)は直線で他馬と軽く接触するシーンがあり、勝ち馬の後ろに入ってしまう瞬間もありましたが、最後は外から脚を伸ばしており、こちらも展開や仕掛けひとつで重賞を勝てるレベルに達しています。⑤着ブラックスピネル(9番人気)はスロー逃げで展開利が大きかったですが、ブリンカーを着用後は積極的な立ち回りで安定感も増していますから、どこかで穴メーカーになりそうな気もします。とにかく2頭しか出走していない4歳馬が①③着だったことは、改めて記憶に留めておきたいですね。

 

                                 text by 五十嵐

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

 
 
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