11月24日に東京競馬場で行われた第39回GⅠジャパンカップ(芝2400m・3歳以上・定量)は単勝3番人気のスワーヴリチャードが優勝。初めてコンビを組んだO.マーフィー騎手に導かれ、内ラチ沿いを突くと鋭く伸びて抜け出した。これが2018年の大阪杯以来となるGⅠ2勝目。管理するのは栗東・庄野靖志調教師。スワーヴリチャードは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈱NICKS。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
【展開・ペース】 ダイワキャグニーが先手を奪い、2番手にダンビュライト。前半の1000m通過60秒3という数字は馬場状態を考慮すれば、速く、中盤もグッとラップが緩む箇所がなかった。ただ、この日の傾向として直線部分は圧倒的に内を通った方が有利。外へ持ち出した差しタイプは伸びあぐねて前との差を詰めるのが精一杯だった。
【レース分析】 スワーヴリチャードは今回、チークピーシズを着用。中間はこれまでのCW、坂路併用ではなく、坂路オンリーでの調整パターンを変更。その効果はてきめんだった。パドックでは抜群の気合乗りを見
「世界的に権威のあるジャパンカップを勝てて自分の夢が叶いました。序盤はカレンブーケドールの後ろに付けられれば、と思っていました。直線では逃げ馬が疲れていたのが分かっていましたし、前が開いていたことに加えて手応えが良かったので迷わず最内を突きました。厩舎サイドがしっかり仕上げてくれたことが勝因です」とO.マーフィー騎手。後日、スワーヴリチャードはO.マーフィー騎手が続投し、GⅠ有馬記念へ参戦するプランが発表となった。これで秋の古馬3冠にはフル参戦。もうひとつビッグタイトルを獲得することができるのか、このコンビから師走も目が離せない。
本紙予想で本命を打ったのがカレンブーケドール。秋2戦は坂路のみでの追い切りを重ねていたが、ジャパンカップ直前は南Wコースで追い切られた。しっかりと負荷をかけられて3戦目を迎え、ピークのデキにあった。スタート後、最内枠を生かし、好位のインに収まって追走。ダイワキャグニーを捉え、抜け出すタイミングもバッチリと津村騎手は完璧に乗っていたが。今回に関してはO.マーフィー騎手の神騎乗を称えるべきか。
③着はワグネリアン。レースが近づくにつれて徐々にうるさくなっていったが、パドックに出てきた当初は
ペース自体は速く、本来なら差し・追い込みタイプが届いてもいい展開ではあったが、マカヒキ、そしてユーキャンスマイルはイン有利の特殊な馬場に泣いた格好だろう。
text by 京増 真臣
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。