3月7日に中山競馬場で行われた第15回GⅢオーシャンS(芝1200m・4歳以上・別定)はダノンスマッシュ(単勝1番人気)が危なげなく抜け出して優勝。自身はこれが重賞4勝目。またこの勝利により3月29日に中京競馬場で施行されるGⅠ高松宮記念の優先出走権を獲得した。鞍上の川田将雅騎手、管理する栗東・安田隆行調教師とも2011年のダッシャーゴーゴー以来となる同レース2勝目ダノンスマッシュは北海道新ひだか町・ケイアイファームの生産馬。馬主は(株)ダノックス。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 エンゲルヘンが積極的にハナを奪い、2番手にナックビーナスが続く形。前半3ハロン通過は33秒1。2011年以降、良馬場で施行された7回の前半3ハロンの平均が33秒2。午前中に雨が降り水分を含んだ馬場だったことを考慮すると33秒1というのはかなり速いペース。最後は地力勝負になった

 

【レース分析】 香港スプリントでのレースぶり、そしてタワーオブロンドンより2キロ軽い56キロで戦える点を重視して◎はダノンスマッシュ。スタートが悪く、ヒヤッとしたが、最小限のロスでリカバーしたあたりは、さすがコンビを組み続けている川田将雅騎手。当面のライバルであるタワーオブロンドンより前のポジションを取ることができた。直線に向くとナックビーナスの直後から抜け出して1馬身半差をつけて快勝。朝方に雨が降っており、良馬場発表ではあったが、1200mで0秒5程度、時計がかかっていたから、走破タイムは非常に優秀。振り返ると以前は華奢な印象があったが、馬体にボリューム感が出て、父ロードカナロア似の体つきになってきた。

 

ダノンスマッシュの4代血統表

 

「無事にレースを終えられて良かったです。前回、出遅れたので気をつけようと思っていたのですが、今日もゲート内で悪さをして、いいスタートが切れなかったです。そこは課題として残りましたが、その後はいいリズムで運べました。前哨戦としてはいい状態で、ここを使って更に良くなると思います。次も楽しみですね」川田将雅騎手。また翌日の8日に川田将雅騎手がドバイ国際競走で騎乗するためGⅠ高松宮記念では三浦皇成騎手とコンビを組むことが発表された。新たなパートナーを背に、通算6度目のGⅠ挑戦でビッグタイトル獲得を目指す。

 

 

 勝ち馬と同様に称賛したいのがナックビーナス。当日のパドック、本馬場入場では7歳牝馬と思えぬほどの気迫を感じさせており、まさに衰え知らず。序盤、サッと2番手をキープし、完璧なレース運び。今日に関しては勝ち馬を褒めるべきだろう。同一レースで4年連続の②着。これだけ長くスプリント界の第一線で活躍し続けているのは立派。

 タワーオブロンドンにも触れないわけにはいかないだろう。馬体に関しては太め感がなく、まずまずの仕上がり。中間の追い切りで掛かる面を見せていたから、今回は折り合いを重視したスタイル。トライアル仕様の乗り方だったと言える。上積みが見込め、これは本番でガラッと変わってくるだろう。

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ったダノンスマッシュは前走がGⅠ香港スプリントで0秒4差。②着に入ったナックビーナスは前走がOP特別で②着。来年以降も変わらず、この基準で買えるかどうかを取捨選択したい。

〇リピーター・・・3年続けて②着だったナックビーナスが今年も②着。興味深いのは1度も着順が②着からブレていない点。前年の好走馬を狙う際は前の年と同じ着順に固定した馬券を買うことをオススメしたい!

 


 
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